ポケモン小説wiki
仕掛人 の変更点


どうも鴟鵂です。
前にあんなひどいものを書いておきながら懲りずにまた書かせていただきます。
今回はちょっと時代物風のものを書かせていただきたいと思います。
暴力やグロが入るものとなりますので苦手な方はスルーしてください。
エロは、私が書けないのでありません。
前のものよりましなものができるように頑張ります。
それではどうぞ。

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ある新月の晩に一人のサマヨールが夜道を歩いていた。
どうやらどこぞの酒宴に呼ばれ、その帰りらしい。
人通りもない寂しい道である。と、
「もし」
と呼ぶ声がする。
「ああ。なんだ」
「そなたは、夜行ともうすものか」
「ああ、そうだったら何だっていうんだ」
姿はないが声のみが返ってきた。
「それならば…その命頂戴いたす」
その声と共に暗闇から圧倒的な気配が迫ってきた…

翌日の夕暮れ時、とある長屋の前で道端で夕餉の準備をしていたミルタンクがこちらへ向ってくる人影を見つけ声をかける。
「あらおかえりなさい。真影さん。」
と声をかけられてやってきたのはみすぼらしいなりをしたジュペッタ。
「ただ今おかみさん」
「さっきあんたに客人があったよ。一回帰るって言ってけど後でまた来るって。今日の晩飯はゴスの実のノワキ和えだよ」
「むう……かたじけない」
「いいってことさ」
自分の家に入ってしばらくすると隣のおかみさんが先ほどの料理を持ってきた。
甘辛い味に渋みと苦みがあいまり中々においしい。
と、そこへ再びおかみさんが「あんたに客だよ」と言って連れてきたのは一人のダークライであった。

「む、これはうまいな」
「そうだな酒がすすむ」
と、このダークライが持ってきた最近非常に評判がいい壺助という名のツボツボが営む「壺酒」という酒屋の酒を開けてノワキ和えをついばむ。
「ところで昨夜は御苦労であった。」
「いいってことですよ。黒月さん。これが私の商売だ。それになかなかいい怨みも吸わせてもらった」
「そうか…ではこれが残りの半金だ」
といってすいと懐から小判の包みを取り出した。
上の会話からわかるように昨夜のサマヨールはこのジュペッタ「真影」の手によって殺害された。
彼の仕事は仕掛人「この世に生かしちゃおけねえ悪い奴」を葬る殺し屋のようなものだ。もっとも、これはあくまで裏の顔で、表は&ruby(わらじ){草鞋};職人ということになっている。
もう一方の「黒月」なるダークライはこの辺の&ruby(ぶらい){無頼};どもを束ねる&ruby(やし){香具師};の元締めであり、時々このような依頼を彼に持ちかけているのである。
「ところで真影殿、昨日ひと働きしてもらった後で悪いのだがもうひと働きしていただきたい」
「…黒月さん今度はもっといい酒を持って来いよ。あの店の最高の酒持ってくるなら考えよう」
「む…では三日後の夕暮れ時にまた伺おう」
「楽しみにしてるぜ」

三日後彼が訪れたとき後ろには見慣れぬポケモンが立っていた。
「よくぞいらした、後ろのお人がこの前話してた……」
「うむ、今回の依頼人だ」
そう言われ入ってきたのは大柄なヨノワールであった。
彼は真影を見るなりこう叫んだ。
「はん、こんなみっともねえ奴にいったい何ができる」
「本人の前でよくそんなことが言えるな、切って捨てて進ぜようか」
「いきなり依頼人を切り捨ててどうする。
 暗夜殿、安心されよこんななりでも腕は一流だ、
 少なくとも仕掛人として彼の右に出る者を私は知らない」
「あんたがそこまで言うなら信用しよう」
ひと悶着の後、彼らは湯気を立てるこぶ茶を挟み向かい合っていた。
「紹介が遅れたな、彼は暗夜という&ruby(やし){香具師};の一人だ。
 今回どうしても殺ってほしい人物がいるということでここまで連れてきた」
「それで、今回はどのような人物を殺ってほしいんで」
「われら人民から甘い蜜を吸い上げ私腹を肥やすとんでもない老中がいるそいつを消してほしい
 お前なんぞにできるか」
「できなくはない」
「何、本当か」
「おや、お茶が無くなったようで、入れなおしてこよう」
と席を立った真影に、暗夜が声をかける。
「ところで貴様の得物はなんだ」
「知りたいか」
と振り向いた真影の手にはどこから取り出したのか真っ黒な刀が一振り握られている。
「これが私の愛刀だ、とりあえず影爪と呼んでおる。
 影を紡ぎ、編み出したの刀だ」
突然、彼がその刀を一振りした。
まっすぐ前に振り下ろしたはずなのに
なぜか彼の後ろにあった屏風がごとりと音を立て崩れ落ちた。
「む、むう、そうか、とりあえず貴様に任せよう」
「それならば月が一巡りする間に片を付けて進ぜよう」

暗夜はこの後席を立ち真影と黒月のみが残った。
「今度の依頼はどうだ」
「悪くない、それにとてもいい怨みのにおいがする」

数日後、彼の姿をある通りの中に見出すことができる。
手には彼の愛刀が握られている。
そう、彼の暗夜というヨノワールに依頼された老中を殺しに来たのである。
ちょっとの間待つとその中老がやってきた。
精悍な顔をしたエルレイドであった。
彼を見た瞬間真影の目がギラリと光った。
しかし、その手にはすでに刀はなかった。

その翌日の夜のことである。
豪華な造りの料亭の一室で、
「そうか、では殺ってくれたのだな」
「ああ、さっき真影から連絡が来た。明日の朝になれば全てがわかるだろうと」
「そうか、それは良かった」
「まあとりあえず祝杯をあげようか、飲もう」
「ああ、そうだな……ふぅ、そんな知らせの後だと酒も格別にうまいな」
「ああ」
と、まあ彼の老中が死んだ祝杯を二人であげる暗夜と黒月であった。

さてその帰りである。
暗夜が一人夜道を歩き
(ふふふ、馬鹿な奴らだ、あとはあの真影とかいう仕掛人をかたずけ、あいつを殺した罪を黒月の野郎に被せれば……ふふふふふふ)
などと考えていると
「もし」
と呼ぶ声がする。
「誰だ」
と返すと
「お忘れですかあなたに仕掛けを依頼された真影ですよ」
「おお、お前かこんなところでどうした」
「ちょっとあなた様にお話がありまして」
「どんな話だ」
この夜は新月であった。
街灯もないこの町では夜の闇は非常に深く一寸先も見えぬとはまさにこのことである。
だが、その闇よりもさらに深い闇を思わせる声で
「あなた……私を騙しましたね」
「はん、何を言い出すかと思えば……」
「私ね、わかるんですよ、そのポケモンがどれだけ怨みを背負っているか、
 またその恨みの質までわ かってしまうんですよ。
 私が彼を斬りに行ったとき彼には人からつけられた怨みなんて少しもなかったんですよ……
 そんな奴を殺すのは主義に反しますんで。
 ところで、あなたはとても人に怨まれておいでのようだ。
 私はこのようなことで自分を騙した奴を決して許さない性質でして、
 あなたなら斬って捨てても主義に反しないで済みそうですね……
 私を騙そうとしたその罪、あなたの命で&ruby(あがな){購};ってもらいましょう」
しかし、暗夜は微笑を浮かべている。
「だが貴様の得物は影ではなかったかな、
 こんな月明かりもない夜中にどうやって影を作るというのかね」
だが、真影はさらにそれに微笑を返し
「『月明かりもない』か、あなたの目は節穴ですか。
 今われらを照らしているこの光はなんですか」
と上のほうを顎でしゃくって見せる。
「何をそんな馬鹿な事……を……」
夜空に煌々と冷たい光を放ちながら浮かぶそれは確かに満月であった。

その光を見た瞬間であった。
視界が揺らぎ、体制が崩れた。
「やっと見ましたね、あれは月なんかじゃありませんよ。
 私が使った怪しい光です。
 どうですうまく動けないでしょう。
 そしてこれで最期です」
彼の後ろから降り注ぐその光でできた影から何やら黒いものが立上り
彼の手の中に収束し刃を形作る。
「裁きのときです」
真影は得物との距離を詰めその刃をいまにもつきたてようとしていた。

彼は気づいているだろうか
暗夜が光を見たのだほんの一瞬であったことに
彼はもう立ち直っていることに
懐に刃を潜ませていることに
そして、彼の間合いのほうが若干広いことに
あと一歩踏み込めばその間合いに入ることに……

血飛沫が舞い、一目で致死量だとわかる量の血が流れた。

血の海の中で倒れるは暗夜。
「なぜだ、なぜ私が斬られている」
「さすがにしぶといですね。
 ならば種明かしを、
 私が作ることのできる刃はなにも一本ではありません
 また、自分の影からだけしか刃を作ることはできないと言った覚えもありません
 つまりあなたを斬ったのはあなたの影で作った刃ですよ」
「卑怯な真似を」
「なんとでもお言いなさい。
 どんな手を使おうとあなたのような者をこの世から消すのが私の仕事。
 それではさようなら」
一陣の風が吹いた。それとともに光も消え影も消えた。
残るはただ深い闇と物言わぬ死体のみ。

「このたびは御苦労」
「別にかまわない。
 いつものことさ」
とある長屋の一室で、真影と黒月が盃を傾けていた。
「しかし今回は驚かされたね。
 まさか同業者を殺ってくれなんて」
「あいつは今までにも数え切れないほどの悪行を重ねて来た。
 挙句の果てには自分の商売の邪魔になる提案をするからと言って罪もない奴を殺させようとする
 さすがに目に余ったのでね」
「……しかし、奴の邪魔になるというのならあんたの邪魔にもなるはずだ。
 ほっといていいのかい」
「問題ない。あんな奴に私は縛れないよ」
「これはおみそれしました」
「ところで、今度また殺ってもらいたいやつだいるんだが……」
「ま、その話は酒でも飲みながら」
夜は深まっていくのであった。

終

単なる自己満足で書かせていただきました。
前より幾分かはましかとは思いたいのですがやはり駄文は駄文です。
キャラクターが自分の考えているものと、どうしてもずれてしまいます。
もし、これ以降も何か書くならばこのようなものになってしまうかと思います。
何かご意見などありましたら是非ともお願いします。












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コメントなどありましたらこちらにお願いします。
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