ポケモン小説wiki
エーフィとキノガッサとメイキュウ の変更点


まえがき
!R-18
!エーフィ♀×キノガッサ♂
!本番なし
!えろはうすいです
それでもよろしければ、お読みいただけましたら幸いです。

おはようございます、こんにちは、こんばんは。特ルリ(特ルリ)と申します。
はじめましての方ははじめまして、いつもお読みいただいています方にも本当にありがとうございます。
今回は某所でさせていただいておりますポケダン風味のうちよそお話をベースにした単発のエーフィ×キノガッサの友情えろをお届けいたします。
想えば、これは誰にでもある悩みなのかもしれませんが。
それでもだからこそ……誰か何かを想っていただけたらな、と思っております。
エフィガッサはいいぞ(小声)
今回もお読みいただきました全ての方、お借りさせていただきました全ての方に感謝を!ありがとうございます……!
それでは、お目汚し失礼いたしました。

=============

「エーフィとキノガッサとメイキュウ」
僕を嗜めるように。
彼女の尾は、軽快に動く。
「踊っていただけますか?ケント様」
―あなたはきっと。
―僕が知っている、エーフィさん。
ベネチアングラスの、そのかなたに顔を隠して。
*
―つい先日のことだ。
「おーいケントさん、にんじんとオレンのパウンドケーキ3つね!」
「は、はいなおさん、ただいま!」
そのエーフィさんは、僕にほほえみながら指示を出していた。
「いやー今日は忙しいから隊長としては助かるわ!「人手」はいくらでも欲しい、ってね」
注文を捌き、器用な手でパンを袋に詰めていくのは……なおと呼ばれるエーフィ。
かつて僕と同く種族「人間」であり、そして数えきれない数奇な運命の果てにポケモンになりポケモンしかいない世界で働いている者。
陽光の中の、その微笑みは。
その優しき尾は、その宝玉は。
何があっても色あせない、ぼくにとっての希望の象徴。
「ふふ、僕だって「元」人間……ですけれどね隊長さん」
―ポケモンになって、相棒と共にポケモンだけの世界で冒険する。
―そんなゲームが、記憶の彼方にあったことを思い出す。
「それでも、よ!他のメンバーが忙しかったから今日は特にね!おかげで恋人とデートする時間も取れるわけだし!」
「……ええ、そうですね!」
……違うのは、べつに彼女からすれば僕は多くのポケモンの一匹にすぎない……ということだけ。
「よーし、午後も頑張っていきましょう!あっ、いらっしゃいませー!」
―だれがのぞむわけでもなくても。
―だれがねがうわけでもないとしても。
―僕は「多くの一人」であり続けるだけで、幸せ。
きっとそう思い、きっとそう願って。
キノガッサの、太い尻尾をくるんと巻いていた。
*
「仮面舞踏会、ですかお父様?」
「どうだろう……私は招待されたが忙しくて行けなくてね、知らない貴族からのお招きだが……ぜひ、ケント君に行ってきてほしい」
―僕は「多くの一人」である。
この世界でお世話になっている貴族の家においても、きっとそれは変わらない。
父たるサザンドラは、数えきれないほどいる息子娘たちを平等に愛し。
ゆえに、この御鉢が回ってきたことにも特別な意味合いはない。
たまたまキノガッサがいて、たまたま僕の時間が空いていただけ。
「これも良い経験だと考え……行ってまいりたく存じます、是非」
ありがとう、と破顔する彼に、うやうやしく礼をする。
―それでいい。
―誰もが主役にはなれないし、誰もが悪役になるわけでもない。
―自分の代わりはいくらでもいる。
―キノガッサとしても。
―貴族の立場としても。
―人間であったこととしても。
―それはけっして悪いことではなく、全ては凡百のうちにあるというだけ。
―だからこそ、それでいいのだ。
―それ「が」いいのだ。
*
静かな曲が流れたかと思えば、聞いたことのないような旋律が刺し、輪のように踊るリズムに翻弄される。
曲の良し悪しどころか、どういったジャンルなのかもわからない。
それでもただ、そこに座り……皆の華やかな踊りを見て。
それでもまだ、たまに見知らぬ貴族だと名乗るポケモンに軽く会釈や自己紹介をする。
―きっと、そんなことでいい。
キノガッサの腕を伸ばして、朱い世界へ赤い腕を伸ばして。
水のグラスを取れば、そんなことを想う。
―自分というものが、ないとしても。
―虚無のうちにあり、願なきうちにあるとしても。
―ただここにあることで、それでいい。
―好きな者からは好かれず、とりわけ誰かの愛-兄弟愛や、家族愛やそういったものを返せる立場にもなく、自信もなく。
「……それで」
―それで、いいんです。
―そう、思っていた。

曲が、変わる。
僕を嗜めるように。
彼女の尾は、曲に合わせて軽快に動く。
「踊っていただけますか?ケント様」
いつもの生活と、いつもの生活の融合。
―あなたはきっと。
―赤いメイキュウの奥で手を伸ばすあなたは、きっと。
―僕が知っている、エーフィさん。
ベネチアングラスの、そのかなたに顔を隠して。
「……えっ?」
「……わたくし、ナーナと申します……ドレーン家のご子息様、わたくしと踊っていただけますね?」
―周囲からの、視線が集まる。
恭しく手を取る仕草をして、その朱の瞳をまっすぐに向けるエーフィに。
「……もちろんでございます、レディ」
―どういうことなのでしょう。
―混乱しながらも、足はステップを踏む。
エーフィとキノガッサ、ちぐはぐなメイキュウの奥。
他人から見ればただの景色の一ピースかもしれずとも、きっと彼にとっては思いもよらぬなにか。
「それでは、参りましょう……うふふ」
桜花をあしらった衣と、かんざしの様に耳元に刺された桜の枝。
心底楽しむように踊る彼女の、隊長さんの意図はわからないが。
兎も角も、そのエーフィの舞に共鳴する。
―これは、夢なのでしょうか。
この一挙一動も、かの笑顔も、すべて。
―ここに自分の好きなエーフィさんが、いるはずもないのに。
「ケント様と踊っていただけること、大変光栄でございます」
片手でドレスを摘まむ仕草をすると、またキノガッサの手を取り踊り出す。
サイコパワーで浮かぶと、軽やかに、楽しそうに。
困惑と、驚気の螺旋に。
*
「ふむ……そろそろ、よいじゃろう」
踊るポケモン達、種々様々な華を見下ろして。
老齢のムーランドが、その前足を鳴らす。
「皆の者!時はきた これより……汝らが成すことは誰も見ず 神たる人間様さえご覧にはならず、お目こぼしをいただけるであろう」
「……?」
特等席よりこちらを見下ろす彼に、僕は気を取られて見上げる。
「……(さて、ここからよケントさん)」
「……え、えっ?」
周囲を見ろ、とばかりに。
「隊長さん」の声がした。
「……(こっ、これは……?!)」
……先ほどまで優雅に踊っていたポケモン達が、あるものは熱烈に口づけを交わし、あるものは周囲を憚らず交尾すら始める。
鳴き声と、水音と、羽音の狂騒。
「(……周囲に合わせましょう、今は)」
「(えっ、えっ今はって……ひゃあっ?!)」
エーフィに、その身体に見合わないほど想像よりずっと強い力で押し倒されると……彼女は僕のスリットにそっと触れる。
「ケント様っ……♡お慕い申し上げております……うふふ」
「ふ、やっ……?!だ、だめですってば、こ……」
……信じて。
そう、言ったように思えた。
張り詰めた、その尻尾が。
「ふあ……おおひいのでございまふねっ……ケント様のにんじん……♡」
「れ、レディっ……!あまりお戯れをっ……!」
貴族で居続けようとする。
自分が懇願する程願ったその状況が、実現していることに対しても。
目の前で自分が想うエーフィが、サイコパワーでその怒張を好き勝手咥えたり触れたりしていることに対しても。
ただ、彼女を信じて……桜色の狂喜に、浸食されないようにする。
ぬちゅっ、ぬちゅっとねばつく音と。
「びくびくなさっていて……とても逞しい……ふふ……♡」
うっとりした表情でそれにエーフィらしからぬぼさぼさだが柔らかい毛で頬ずりする彼女に対して。
そう何度も、自分に言い聞かせる。
「ケント様、次はわたくしの身体にお子種をかけてくださいませ……どうせ無礼講、天に居る人間様とてみておりませぬ……くふふ」
「……っ!」
そう思いながらも、二股の尻尾で秘部を開いて見せつけるなおに対して夢中でケモチンを擦り始める。
―僕だって。
―僕だって、それは望めるなら……望んでいいなら!
―凡百で、それ以下で、ありたくなかった!
―ただのキノガッサで、唯のポケモンで終わりたくなかった。
―でも、それでいいことだってっ……それが一番「よかった」ことだってっ……!
これは悪夢か、それとも夢か。
沸きあがる感情と戦いながら、ただ今は目の前のエーフィの毛を汚したいという気持ちに必死に自身のものを擦る。
ぬちゅっ!ぬちゅっ!……ぶびゅううううっ!びゅくっ!どぷううううっ!
「ふ、ふあああっ……!あ、あったかいのが……沢山……♡」
そして、呆気なく果ててしまった。
白濁に汚して、しかして隊長さんは、日常の導は白濁をうっとりと見つめてこちらへ頷く。
その秘部に殆ど精液がかからなかったのは不幸中の幸いか。
そんな思考すら、虚脱と混乱に沈もうとした頃……

「ビビビ!ウゴクナ!ホアンキョクデス!」
「ナイス、ジバコイルさんもケントさんも!」
「……!そ、そういうことですか!」
硝子を破って入ってきた、コイルとジバコイルにすべてを理解する。
「ムーランド!あなたは異端信仰と、貴族を集めての違法な乱交の容疑があります!私たちチーム「ハニードルチェ」と保安官さんのお縄におとなしくつきなさい!」
「……ぐ、ぐむむむ!まさか知らない小娘を入れたことが仇になるとは!じゃが、儂とて逃げる手段がのうと思うたか!」
「……来るわ!ケントさん、いくわよ!」
―みっともなく立ち上がっては、しかして彼女に恥じないように彼も戦闘態勢を整える。
「はい……隊長さん!」

「今回は本当に苦労を掛けたね……ケント君には黙っていたようで悪かったが、うまくいってよかった」
桜並木の果てに、メイキュウの果てに……帰路はある。
駆け付けたサザンドラとジバコイル……そしてエーフィとキノガッサの手柄もあり、暗躍していた影が一つ消えた。
そのことに素直に喜ぶべきか……経過を知る僕は、少しだけ後ろめたく思いながら歩いてゆく。
「相手がケントさんだから安心できたわー、ね?」
「……そ、そうですね!見事でした隊長さんもお父様も!」
「ミナサマ、ゴキョウリョクアリガトウゴザイマシタ!」
―あるいは。
―もしかしたら。
―おそらくは。
―このメイキュウを歩く権利くらいは、僕にはあるのかもしれません。
―かつてポケダンに憧れ、今は皆の幸せを願い……自分の居場所を望む、僕には。
―のんびりと、遅い桜景色の中にポケモン達の尾が揺れていた。


                                     了
===============
あとがき
ここまでお読みいただきありがとうございました。
今回のテーマは、「たとえ自分がとるに足りないとしても」でした。
きっと誰もが一度は悩み、そして……いつか、その答えを見つけてゆくのでしょう。「社会」の中で。
いつか、彼も……。
僕はそう信じたいですし、皆様がそうなれると良いなと思います。
こぼれ話ですが、このお話を書くきっかけとなった曲「サクラメイキュウ」ももしよろしければお読みいただけましたら幸いです。
こぼれ話ですが、このお話を書くきっかけとなった曲「サクラメイキュウ」ももしよろしければお聴きいただけましたら幸いです。
最後に、いつもうちよそ友情をさせていただいておりますエーフィの「なお」様、そしてお読みいただいたすべての方に改めまして格別の感謝を。ありがとうございます!
それでは、お目汚し失礼いたしました!

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