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もふもふしようず! の変更点


 written by [[空見]]
(R-18該当部分ありましたら注意です)

***もふもふしようず! [#o6573ded]

 相手は僕に不利な水タイプ。でも僕の圧倒的な火力を以てすれば、問題はないよね。
 ノープロブレム。
 でも電光石火じゃ火力が足りないと予測した僕は、戦闘中の最中にも関わらず、すぐに頭の中で次に出す攻撃方法・タイミングの変更を瞬時に切り替え、いざ真紅に染まったキバを――
「の ろ ま」
 相手から罵倒の三文字を浴びせられながら、文字通り高圧力の水圧を腹部の中心に直撃された僕は、その場に崩れて、まるで糸の切れたマリオネットの様にその場に崩れ落ちた。
 そこから先は意識が朦朧としたままで良く覚えていないけれど、声が聞こえた。
 水の様に済んだ声に、重なる上から目線の聞きなれた雌を感じさせる甲高いボイス。
「ほんっと弱いわねー。それでもあんた雄? 大体のろま過ぎるのよ、ノロマ。自慢の攻撃力とやらもそれじゃあ――」
 それじゃあ、に続く言葉を聞き取る意欲はあったものの、胃から込み上げてくるドロドロした物体が僕の発声を邪魔した後、僕の視界はブラックアウトした。

「回復の薬」

 主人からだろう。そっけないその単語を聞いた瞬間に、みるみる僕に力が戻ってくるのが分かった。目覚める意識、みなぎるパワー。
 これならまだ、やれる!
「……さっきは油断したよ、シャワーズ! 見てろー、僕のこのキバさえ当たればお前なんてこの」
「この、何?」
 威圧感が半端じゃない相手のシャワーズからのプレッシャーで、僕の炎のキバのPPは一気に底をついたみたいだ。
「もう。あんたの相手はこりごり。練習相手にもなりゃしない。そりゃ相性はこっちが断然有利だけどさ、もうちょっとこう何とかならないワケ?」
「ぐっ……」
「大体、炎のキバなんて対人戦じゃ対して使い物にならないのよ。あんたの主人の最初の指示も電光石火だったでしょ? そもそも技自体の火力が低いの。いくらあんたが火力馬鹿だからってね、もうちょっと技に恵まれてないとただの力馬鹿で乙なワケよ。っていうか、既にただの馬鹿だけど」
 馬鹿って言う方が馬鹿なんだ。上から目線でづかづかいつもいつもいつも。
 僕の経験値積みにいつもお世話になっております、だけどさ。もうちょっと強くて歳上のお姉さまなら、こうもうちょっと柔らかく行こうよ。っていうかね、至近距離で遠慮無しにハイドロポンプを急所に当てるのマジやめて下さい、ほんとお願いします。
「トレーナー同士、それに私達の中も付き合ってだいぶ長くなったけど、肝心のパートナーがこれじゃあね。そろそろ名ばかりのパートナーからただの練習相手、いや的当て君にでも格下げしてもいい頃合いかもねー」
「ふん、初めてのエッチの時はあんなに初心だったっていうのに、普段がこんなお姉さま気質じゃあねぇ……僕以外じゃパートナーなんて務まらないんじゃない? まあ僕の大して立派じゃない逸物を育て屋さんで挿入して差し上げた時は、その余りの快感で気を失って子どもを作るどころか、情けないことにそのままポケセンに君だけ緊急で運ばれたという黒歴史が……がっ!?」
 お腹の下にある、僕の本当の急所を目掛けて、彼女はハイドロカノンを――
 
 僕の目の前はまっしろになった
 僕の目の前は まっくらになった▼
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 僕は何をしていたんだっけ……。頭と、後下半身がズキっと痛むのは気のせいじゃないか。
「うーん……」
 僕は、何をしていたんだっけ……。頭と、下半身がズキっと痛むのは気のせいじゃないか。
 毛並みは整えられているし、段々とはっきりしてくる意識の中で僕が置かれている状況も飲み込めてきた。
 ここは僕の家。正確に言うと僕の主人の家。
 主人は他のポケモンを連れて、夜のバトルを繰り広げに行ったか。案外主人自体が戦闘をしているのかもしれない。
 彼は底なしだからな。
 そして、僕はこの家で一人ぼっちだ。いいんだ、もう慣れた。決して広くないボロ家でも、やっぱりマイホームは落ち着くし、吸う空気や匂い、それがいつもと同じ物と約束されてるだけでも僕は幸せ者なんだろう。なにせ、野生の時は生活にいっぱいいっぱいだったしなぁ。遠路はるばる遠い地方まで来たとは行っても、今の生活のがいい。
 すとっとベットから降りると、まだ下腹部の痛みは冷め切ってなかったが、僕は家の中を散策することにした。
 近くの家の電気は薄明かりになっていて、今日は夜に突然の来訪もなさそうだし、ポフィンをかじりながら雑誌でも読んでゆっくり過ごそうか。
 足下に無造作に投げ出されていた、人間とポケモン両用の雑誌を前足でめくっていくと、とあるページが雑に切り破られていることに気づいた。
 そこには男性の人間とポケモンの雌が絡み合っているいたいけな写真がモザイク付きで載っていた。
 この手の手法にはうんざりしていたが、痛んでいた愚息がまるで回復の薬に浸しておいたかのように、いやそれ以上に元気になって、天井の方向に向くまでにはそう時間は掛からなかった。
「嫌になるね、全く」
 ポケモン同士の絡みのが断然いいのに、今回の特集はイケメン男優と美人ポケモンの熱い夜のバトル(初戦)がテーマだそうだ。
 ふん、と馬鹿馬鹿しさがこみ上げてくるも、雄の性の舵取りは中々言う事を聞いてくれず。
 まるで戦闘中の僕の様だが、今はそんなことはどうでもいい。
 床にでんとお尻から座った格好になった僕は、利き足の右前足で慎重にページをめくりながら左前足で既に勃起していたその肉棒をゆっくりと丹念にこすりあげる。
「んっ」
 漏れる一声は、今は誰にも届かない。一人が僕には似合っているんだ。戦闘技のバリエーションは確かに少ないことは認めざるを得ないけど、性技の方は自分で言うのもなんだろうけどこれで中々――
 足だけではいよいよ物足りなくなってきた僕は、更に涎を含んだその自分の口でカチンカチンになったチンチンを口に加えようとし、
「この部屋に居たのか、こんばんこんちくしょう! もー探した……よ……」
 口にソレを含んだまま、僕は声のする方向にかなり無理な体制だったが、電光石火を越えて神速の如く振り向くと、そこには一匹の雌の影が――
「ふぁ、ふぁんでひょんなふぉころに……!」
 口に逸物を含んだまま僕は彼女がなんでそんな所に居たのかと尋ねた。でも僕にも彼女にも余裕なんてものは皆無だった。
 僕の背筋に伝うひやっとした嫌な汗。彼女の固まった表情と動作。
 これは戦闘ではなく、唯の自慰。突破口が瞬時に思いつくなどあり得ず、僕はその場にかなしばりを掛けられたようにただただ、沈黙し俯いたまま口に少し広がる苦味を噛み締めながらそこに佇んでいる他に方法がなかった。
「……ご、ごめん」
 何とか振り絞って重い空気の中で発した僕の声が彼女に届いたかどうかの間際、彼女は僕の前から姿を消した。一言も発せずに、僕を振り返りもせずに。
「シャワーズ……」
 何故だか無性に泣きたくなった僕は、己のまだまだ元気な愚息を呪い恨んだ。
 吐き出したい衝動はまだ微かに残っていたが、今はそれよりも彼女のことが心配で仕方がなかった。
 僕の性欲よりも今剥けるべき、いや向けるべき眼は彼女にある。
 黙って何処かへと去った彼女を追って、言い訳じみた弁論になろうと弁解しなければ。
 泣いている場合じゃない。
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「どこ、シャワーズ?」
 決して広く無い一戸建ての家。至る所の明かりを付けて、探しはしていた。
 隠れる場所はあらかた探したし、暗い所が残っていても僕には常時フラッシュが使えるような者で、伊達じゃなくそこは炎タイプ。
 ユニットバスの、お風呂の蓋の中なんて盲点ではあった。そこに隠れて沈んでいるシャワーズを想像すると何だか燃えた……萌えた自分が居た。
 が。予想は見事に外れ、僕は沸いていた湯に無駄に浸かった顔に9のダメージを負い、再び気まずいパートナー探求の旅(苦笑)に乗り出した。
「……さてはもう帰った? でもそれにしては、玄関先に特に匂いも残ってないしなぁ」
 僕は特性というか特技な程には鼻が効く。まるで絵本に出てくる犬という空想動物のザマだ。
 実際そんな探し方も悪くはないのか。鼻をクンクンと効かせ、慎重に時間を掛けながらも集中して僅かな痕跡を辿ると、ふと一つの場所の手前に辿り着いた。
「ここは……そうか、ここか」
 育て屋でいつか僕らが下手糞な交わりを交わさない為に、夜の戦闘の特訓を擬似的に幾度か重ねた場所。主人が昔使っていたという、埃とカビ臭いただの古ぼけた物置小屋。
 結局僕らは、いや彼女が育て屋ではドジを踏んだけど。今となってはいい思い出なのかもしれない。何にしても懐かしかった。
 挿入までは決していかないあどけない戯れ。
 大人でも子どもでもない年頃の僕らの軌跡。挑戦。営み。
「音はしないけど、匂いは確かにする! よーし、シャワ」
 僕が物置小屋の扉の僅かな隙間に向かって彼女の名前を呼び掛けようとしたその時、扉の向こう側から微かに、しかし確実に物音がした。
 僕は喉元まで出掛かった声を腹に押し戻し、様子をその場で静かに伺う。
「……はぁ、はぁ。ん、んっ」
 良く聞き取れないがその音は声だった。暗闇と決して広くはないその場所の中でまるで潜みながら殺してる声。でも何故殺した声が漏れてくるのか?
 そして僕の胸がドキドキするのも疑問に思いつつ、僕は自分の耳をそっと扉の隙間にぴとっとくっつけ、その音の把握の為に耳を中心とした全神経を集中させた。
(...執筆中)
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