#author("2025-06-23T07:14:24+00:00","","") #author("2025-06-23T07:24:56+00:00;2025-06-23T07:14:25+00:00","","") #include(第二十一回短編小説大会情報窓,notitle) 注:R-18、♂×♂、総排出腔、&ruby(ポケ){人};身売買の表現があります ---- 「チッ、嗅ぎ付けてきやがったか!」 ヒスイ地方某所の蔵に侵入した盗賊に対峙するジュナイパー。この地方独特の赤い冠羽と茶色の翼を有する出で立ちが、盗賊の手持ちのオオニューラの繰り出す攻撃を躱して空を舞う。 蔵の持ち主から依頼された用心棒として、庭から発掘されて蔵に収めた小判の番をしている最中。古のカントーとの交易の証として歴史的価値も高い小判は発見されるなり瞬く間に狙われる程のお宝。流離の用心棒として知られる人間と相棒のジュナイパーに密命として小判を護る仕事を下され、小判発見を一切口外していないにも関わらず、こうして盗賊が現れる時点で、何かしらの裏情報網が存在する事を、ジュナイパーは確信した。 「どこから漏れたか知らないが、お前らにやる代物はない!」 フェザーダンスで敵の攻撃を下げてから、つばめがえしで応戦。昼夜問わず活動出来る秀でた視力によって、暗闇でも支障なく戦える。だが敵も夜目が利き、利する状況ではない。 「ぐおっ!」 きりさくを食らったジュナイパーが態勢を崩す。そこを狙った追撃は、寸での所で回避した。娯楽を断って主と共に修行に明け暮れた彼は、そう容易く倒せはしない。すると盗賊の一人が後ろにいる人間に目配せする。その人間の動きで即座に察する。 (あいつ、仲間を呼ぶ!) 咄嗟に矢羽を抜いて引いた弦が軋む。させるなと人間の指示で動いたオオニューラが、フェイタルクローを繰り出した! 「っぐうぅ!」 矢羽を&ruby(つが){番};える無防備な身を切った爪の効果は抜群な上に急所に当たり、追加効果でまひになる。だがそれでも彼は気合で矢羽を放った! 仲間を呼ぼうとした人間の後頭部から額へと貫き、一切の声を発さずその場に斃れた。 「くっ、なんとしてでも小判はいただく!」 応援を断たれた盗賊は、深手を負ったジュナイパーに明確な殺意を向けた。別の場所で番をしていた主も気付いたようだが、援護は間に合わないと悟り、顫える翼で矢羽を三本番える。力が入らず、照準も定まらない。それでも彼は気力を振り絞る。オオニューラが長い腕を振り被る。手練れの盗賊から小判を護るためには、&ruby(なまじ){憖};っか身命を賭して刺し違えるしか手はなかった。嘴から、短い吐息を零す。 (修行ばっかりでつまんない一生だったな……) 長く鋭い爪が振り下ろされると同時に、目一杯引いた弦を離した―― 徐々に開く目は、白くぼんやりした空間を捉えた。致命傷を食らった筈の体は傷一つない。緩慢と立ち上がると、目の前に何かが姿を現した。 「万太郎……」 謎の者は、ジュナイパーの本名を告げる。何故知ってるのかと万太郎は訝しんだ。 「お前は、何者なんだ?」 霞が取れるかの如く明瞭になった、並々ならぬ雰囲気の四つ足。白と黒を基調として、やや肉付きのいい胴に金色の飾りが目立つ。 「我は万物の創造主なり」 「は? 何言って……!?」 その容姿を万太郎は思い出した。修行場の祭壇に描かれていた創造主の絵画として、幾度となく目にしていた。御姿そのものが目前に佇んでいるにも関わらず、彼は不思議と畏れも敬いも抱かなかった。 「お主は自らを犠牲にして小判を護り切った。若くして死に花を咲かすには些か惜しいと感じ、黄泉まで駆け付けたのだ。有難い事だろう」 「そうは言ってもどうせろくでもない一生だっただろうし、おっ死んじまうならそれでもいいけどな」 「もし違う形でやり直せるとならば?」 創造主とやらの問いに、万太郎の心は図らず揺れる。 「やり直す? それってまったく別の生き方とか、ヒスイ以外の場所でもいいのか?」 創造主は徐に頷く。万太郎はぼんやり光る地を見つつ思案してから、つと顔を上げた。 「俺、禁欲続きだったから、やり直せるならあんな殺伐としたヒスイじゃなくて、パーッと楽しく気持ちいい生活がしたい」 「ふむ、心得た。お主はそれでよいのだな?」 赤く無機的な瞳が万太郎を捉える。憚る事なく頷いて応えた。 「ならばお主の願い、このアルセウスが叶えて進ぜよう」 創造主の黄金色が眩く空間を照らす。万太郎は思わず目を瞑った。 ---- 耳を擽る微風と打ち寄せる漣の音。ゆっくり目を開けると、その身は燦々と煌めく砂浜に横たわっていた。羽に付着した砂を払いつつ起き上がる。視界には左右から沖合に伸びる半島と、その間から覗く青海原。海は久方振りに目にした気がするも、万太郎の記憶は自身の名前や出自以外全て&ruby(うしな){喪};われて、遡るのは不可能だった。 「なんで俺、ここにいるんだろ……」 ぼんやり考えていると、腹が大きな音を立てる。とりあえず何か食べようと浜を歩き出す。突如強い風が吹き付け、舞い上がる砂に目を翼で覆う。風が止み、鼠径部に引っ掛かった小枝を放り投げて再度歩き出した。すると今度は足に衝撃を覚えてこけそうになった。何だと足元に目を遣ると、見た事のない姿。 「アンタだれや? ヨソモンやろ! こんなダッサイもん、ここいらにおらんわ」 「は? ダ、ダッサイ……!?」 足を叩きながら軽口を叩くのは、明らかに子供。万太郎の目が途端に険しくなった。叩き続ける拳状の部分を翼で掴み、そのまま持ち上げた。 「おいガキ、口の利き方に気を付けな」 「ひ、ひいいぃぃぃぃぃっ!」 子供はすっかり怯え、どうにか逃げようと暴れる。その拍子に拳状の部分が千切れ、体は砂浜に落下。泣きながら海へと逃げて行く。翼で掴むそれはピチピチ動いている。空腹状態の万太郎、試しに一口啄んでみると、固い食感と海鮮独特の風味の中に旨味が感じられ、あっという間に食べてしまう。 ひもじさが薄れた所で改めて見回すと、すぐ近くに春の装いに包まれた低い山があり、緑豊かな場所だと草タイプの勘で分かる。飛ぶ事も可能な万太郎にとって棲み処にするにはよさそう。棲むならどの辺にしようか、花の香りを運ぶ微風を浴び、断続的な漣の音を背に取り留めもなく考えていた。 「!?」 すると突然、背後から翼と足を捕らわれる。声を荒げた時にはもう遅かった。触手のような何かで力ずくで前屈みにさせられ、更に首の自由を奪われた。そして途轍もない力で締め付けられる。途端に肩や脇腹、腰、首に強い痛みを覚える。 「いてて……何しやがるっ!」 必死に藻掻くも背後にいるひんやりした触手の主の力は強く、逃げられない。 「おー、見事な&ruby(オトスパスホールド){卍固め};やのー」 「オ、オトスパス……!」 感心しているバクフーンのお陰で、触手の主の名は分かった。分かった所で逃げられないが。 「オメー、オレの&ruby(かい){可愛};らしい弟に手ぇ出いたんやてな?」 「弟……? ま、まさか!」 万太郎の頭に浮かんだあのクソガキ。苦痛の中で兄弟しての柄の悪さに辟易する。 「ホンマに手ぇ出いたんやな。許せん!」 更に強まる締め付けに苦悶する万太郎。脂汗が滲み、地に着く足が徐々に震え出す。やったれやったれとオトスパスの友達のバクフーンが声援を送る。苦悶に細めた眼が、突如くわっと開く。 「ぐわあっ!」 悲鳴を上げたのはオトスパスだった。地に着いた足が地面を離れたかと思いきや、そのままオトスパスの足を払ってバランスを崩させ、砂浜に倒れた。力が抜けた隙に逃げ出そうとするが、触手状の手は執念深く足を捕えて離さない。上半身の自由を得た万太郎は矢羽を番えつつ舌打ちを禁じ得なかった。 「オメー、けったいな色のジュナイパーにしちゃあやるやん、なんちゅう名前や?」 「俺は万太郎。先祖は遠く南アメリカで帝国を作った王様、その名の一部を代々受け継いでる誇り高き名前だ」 「へー、ほんならその王様の名前言うてみい」 オトスパスとバクフーンに唆され、万太郎は喉を鳴らしてから先祖の王の名を告げた。 「いいぜ。偉大なる王、その名はマン&color(white,black){ピー};」 しばし打ち寄せる漣が空気を震わせた。 「……ぎゃはははははははははは!!」 それは漣に代わり、二匹の爆笑となる。 「笑うな!」 「笑うなっちゅー方が無理やがな! なんやその『オメコくぱぁ』みてーなけったいな名前!」 「だから笑うな! 歴史にもちゃんと残ってる名前なんだぞ!」 万太郎は怒りの余り矢羽を放った。それはオトスパスに勢いよく刺さるも、貫通どころか浅い所で止まった。刺さった矢羽を抜いたオトスパスは怒りに戦慄き、目が青く血走る。 「なんど、ナメたマネさらしおって……こらー痛い目ぇ見させんなんわな。バク、焼いたれ」 「おう、ちょいと大人しゅうせーやどんならず!」 バクフーンは首から炎を出し、万太郎にかえんほうしゃを繰り出す。その灼熱はたこがためで耐久を下げられた肉体を蝕み、万太郎の絶叫が浜に響く。そして再度四肢を触手に囚われた。締め付けと軽い火傷で身は熱く疼く。 「ほー、ええ&ruby(匂い){カザ};するやん。ムラムラしてまうにゃー」 「な、何言って……!?」 「なーんもクソもあるかい! さーな時期やないか、のー」 オトスパスとバクフーンは不気味な笑みを浮かべる。心地よい花の季節がそんな時期だと気付くのに時間は要しなかった。 「ワシらんこと&ruby(おと){恐};ろしがってみんな近寄らんでのー、ちょうどええわ」 「ほなら先オレな」 「ええでー」 更に四肢を強く締め付けられたと思いきや、一本の触手が股座をまさぐり始める。所々焼け焦げた羽毛がぶわっと逆立つ。 「や、やめっ」 「やめぇ言うてやめるアホがどこにおるにゃー」 オトスパスは尚もまさぐる。そして羽毛に隠れた雌の如き鳥穴を捉えた。万太郎の身がピクンと跳ねる。 「ココやな。安心せえ、ちゃーんとオメコ&ruby(ほぐ){解};いたるさかい」 触手の先端は絶妙な力加減で穴周りを揉み解し始める。徐々に激しくなる息遣いを背中に感じつつ、揉まれる刺激で身を震わせ、嘴から上ずった声が零れる。弄ばれる秘所が熱を持ち、それは徐々に血潮に乗って全身へと回る。 「ええ塩梅に濡れとるのー。オメーも&ruby(長らく){千度};こねなコトせなんだんちゃうんけ?」 「う、うるさ、ひゃあっ!」 万太郎を弄ぶ触手から卑猥な糸が長く引かれる。体が火照る度、火傷の痛みと共に秘所の快感も増幅され、立ち上る焦げ臭さと獣臭も強まる。記憶がないせいか、万太郎自身も久方振りの行為か否か不明瞭なまま、次第に感度の高まる急所に翻弄されるばかり。 「おーくっせくっせ、たまらんわいや」 濡れる鳥穴を嗅いだバクフーンが喜び、吐息は万太郎を熱く擽った。オトスパスに揉まれて熟れた果実の如き柔らかさと瑞々しさになり、淫熱に浮かされながら下腹部にこみ上げる物を感じ始める。 「あ、や、やめ、これ以上はっ!」 突如言い知れぬ恐怖のような感情に支配され、万太郎は暴れるも、強い力で締め付けられた体はびくともしない。 「ええやん、そのまんまイっときー」 オトスパスは背中の蒸れた鳥臭を堪能しながら目を細くした。 「い、や、やっやだあっ!」 時を追う毎に実体化する熱いうねりが、万太郎を底の見えない淵に引き摺り込もうとしていた。抵抗の術などなく、それはあっという間に、火照った肉体を飲み込んだ。 「や、やっ! ああぁぁぁぁぁぁぁ~~~…………」 万太郎は衝撃に天を仰ぎ、浜に打ち寄せる漣の如き引き攣りを伴って秘所から熱く迸る。それを直に顔面に浴びたバクフーンも愉悦に綻び、大きな肉体を赤熱させる。 「おろー、&ruby(はんで){派手};にイてもうたのー」 「こりゃあきっと上物や。&ruby(あんば){塩梅};よさげやな」 絶頂の余韻で掠れ声を零す万太郎に、彼らの淫欲は顕著に増幅される。視界に映った、&ruby(どぶろく){濁酒};様の粘りに汚れるバクフーンと砂浜。我が身から放たれた体液を見るのはご無沙汰な気がしていた。 「ほんなら、次ゃコレや」 再度身を突き抜ける快い電流。先程まで穴を揉んでいた触手が、穴に押し付けられていた。 「おっ、ふうぅぅぅっ!?」 万太郎はまたも戦慄く。それはぬるりと淫肉を抉じ開けながら鳥内へと侵入する。 「うおぉ! きっつう締め付けてくるど~!」 オトスパスの声色に、初めて悶えが滲み出る。 「おほっ! 何しやがるっ! あ、あぁ!」 内で蠢く感覚は、綯交ぜの快感と不快感を雄鳥に齎す。暴れる力加減で変化する内圧は、オトスパスを楽しませる。 「やっぱりおめこ&ruby(突き掘る){せせる};んはええのー、いつかワシも……」 四つん這いのまま二匹の結合部を凝視し、時折溢れる汁気を舐めてはバクフーンも気分を高める。内を犯され、それを見られる羞恥心は、万太郎の心身を甘く蝕んでいく。 「ううっ! カシワごっつ気持ちええ……!」 四肢を捕らえる触手の顫動が、筋肉質な雄鳥にも伝播する。余裕の奪われる中でも、触手は一切の加減を見せない。 「……ア、アカン! イきよるっ!! オッ、オオォォォッ!!!」 オトスパスの身が強張り、万太郎の体内で強い衝撃を発して何かが放たれる。彼も釣られて沁みる身をガクガク震わせた。放たれた物は腹の中で蠢き続ける。しばらく呆然としたオトスパスが、ぬるりと触手を抜く。 「さ、先が、ない!?」 万太郎は目を見開き、蠢く物の正体を知った。 「オレの&ruby(チンポ){交接腕};、イったら取れるにゃー」 「そりゃええけーども、タコぼんもう&ruby(だ){射精};いたんかいや。オメェ昔っから早いさかいなー」 「別に気ぃにしとらんで。それよりオメーも早うオメコせせりたいんちゃうんけ?」 オトスパスは万太郎を捕らえたまま仰向けにして差し出す。バクフーンは&ruby(ためら){躑躅};いを滲ませた。 「ほんまはお玉で初ハメしたかってんけーど……しゃあない、練習や!」 迷いを断ち切って首から火を噴き、垂涎しつつ立ち上がるバクフーンに目を遣った万太郎。その顔は途端に蒼白した。御開帳した股間の火柱は、オトスパスの触手に匹敵する大きさを以て筋張り、ずっしり大きな睾丸と共に既に濡れそぼって陽炎を揺らめかせていた。 「う、嘘だろ……」 只でさえ苦手な炎タイプ。その大きな体と熱量が迫るにつれ、万太郎は慄く。 「そのまんまイケるでー」 「ほーかい、ほんならハメさしてもらうわのー」 「ば、馬鹿! やめろっ!」 必死の喚きも届かず、バクフーンの熱い手は羽毛ごと蒸れた胴体を掴む。火傷を負う体は途端にひりつく痛みに苛まれた。すっかりオトスパスに開かれて臭い立ち、淫蜜を滴らせる秘孔に、大いなる初物が宛がわれる。バクフーンは生唾を飲み、淫肉を押し退けて万太郎を犯し出す。 「があ! 熱いっ……!」 硬く大きな雄の質量は、&ruby(こな){熟};れた肉襞を焦がさんばかりに発熱して奥へと突き進む。 「お、ほおっ! めっちゃ締まって気持ちええわっ!」 噛み締めた口から牙を覗かせ、時折戦慄きつつ鳥内に沈め込む。一度犯されたにも関わらず、格闘タイプならではの強い締め付けは健在で、火柱を喜びに躍動させては濃厚な先走りを搾る。奥へ掘り進む先端は、先の行為で残された物に触れる。それは未だ蠢き、敏感な雄鼬の先端をも擽る。バクフーンは思わぬ享楽に善がりつつ、更に奥へ挿した。 「おっ!? あぁっ! 押し込むなっ! ぁふっ」 万太郎の喘ぎと藻掻きが激化する。火柱は交接腕諸共奥へ押し込んでいた。腹の奥で立つ漣の波紋は全身に散っては反射し、灼かれた身を心地よい痛みに震わす。そこに予兆なく沸き起こる大波。 「あはぁ!」 「ぐうっ!」 鳥膣の収縮を受けて万太郎は嘴から嬌声を零し、バクフーンは食いしばった口から呻きを発した。呼応して刹那に膨れる巨柱は捕縛する肉襞を外へ押しやり、より奥へ我慢の粘りを漏らしながら熱い波紋を火照った身に広げる。草梟の濡れそぼつ赤い眼に映る大鼬。その厳つい相貌は甘露な朱を纏い、身を犯す行為に快く奮っている様相が伝わった。 「のー? オメコ野郎の中ええやろ」 「おう、ものごっついチンポ締め付けてきおって、こりゃあ&ruby(かな){敵};んわっ……!」 「ほならせせぇてみいや」 オトスパスに唆されたバクフーンが、根元まで挿れた一物を少し抜いては再度挿し込む。粘る水音を立て、硬い熱塊と柔軟な肉襞との摩擦が熱と電流を齎して、正常位でまぐわう二匹を刺激する。 「ぐふぅ! タコぼんの、手ぇより、気持ちええ!」 熱く生臭い吐息を万太郎の顔に吹き付け、雄の抜き挿しに悶えて夢中になる。自ずと胴体を掴む力を強め、犯される雄鳥と結ばれた秘所から立ち上る臭いに酔い痴れる。 「いっ、あつ、は、あぁんっ!」 熱く深く腹中を掘られ、尚かつその奥で蠢く触手に粘膜を撫でられ、常に襲い来る快感は火傷の痛みにすら作用しかけていた。汗を流して励むバクフーンの強い雄臭が、万太郎の鼻を通じて朦朧とさせる。抽送に合わせて股座やアイアントの門渡りに打ち付けられる陰嚢の質量も、否応なしに感じさせられた。 「ひっ! あぁっ?!」 張り詰めた火柱が特定の箇所を擦ると、雌同然の雄鳥の体は大きく跳ねる。膣圧も瞬時に高まり、バクフーンも心地よく搾られつつ気付いた。 「なんやっ、ここがええのけ?」 今度は意図的に押し付けて擦る。即座に身が引き攣って嘴から艶めかしい鳴き声を発した。 「おうバク、ええトコ見っけたんけ? コレでお玉にええとこ見せられるんちゃうか」 万太郎を押さえ続けるオトスパスに一笑を交えて褒められ、バクフーンは一層猛り立つ。 「やっ、そこはっ! おかしく、なっちまっ……あぁぁ!」 秘された弱点を執拗に責められた万太郎。狂おしい快楽の波涛に痛む身を捩らせて艶声を発し、その発生源たる剛突をきゅうと締め上げる。 「ぐうっ! これが、交尾っ……癖んなって、まうわいやぁ!」 汗を散らして一心不乱に腰を打ち付け、膣肉の捕縛と雄の筋張った表面の凹凸との摩擦による疑似的な繁殖行為にすっかり溺惑する。奥に押し込められた触手による先端の舐りが、バクフーンの淫欲を更に促す。滾る血潮を集めて怒張を続ける火柱は、鳥壺と絡み合う欣快に張り詰めては濃厚な淫涎を零し、万汁と和合した粘稠を纏いながら持ち主の大鼬と責める雄鳥に本気の昂りを主張した。 「あ、あぁ! らめ、こわ、こわれるぅぅっ!!」 固められて限界まで耐久を削がれた身への容赦ない快楽責めに、万太郎の理性とプライドは呆気なく打ち砕かれ、火傷の疼きすらも快楽に置換し切って再度腹の奥底からうねりがこみ上げる。咥え込む秘孔から溢れる淫汁は互いの下半身を汚して砂に流れ、貪欲に雄を欲する雌鳥に成り下がって喜悦の極大へと一気に駆け上る。 「あ、あぁっ! じゅぱあぁーーーーーっ!!!」 汗を含んだ羽毛を纏う筋肉を反射的に硬化させ、再び仰け反って視界が白み、万太郎は果てた。その衝撃で淫欲に焦がれた万力と化し、逃がしはしないとばかりに締め上げては律動する。 「あかんっ! おめこで、イてまいよるっ!!」 牙を鳴らし、背を丸めて首筋の炎を噴き上げ、競り上がる睾丸から前立腺にかけてむず痒い生命の存在を覚えつつ、鳥壺の中で破裂せんばかりに大いに筋張り聳え立つ。会心の一撃を鳥内に打ち付け、濃厚な遺伝子が尿道を抉じ開けて万太郎の領域へ突き進む。 「おっ、ほおぉぉぉぉぉぉぉっ!!!」 白い命の溶岩が鳥壺に噴き上がる。その勢いで触手を更に奥へ押し込み、万太郎を内から満たして強く熱した。しとどに外へ溢れ出しては栗花様の臭気を発し、精を注ぐバクフーンに純潔を逸した事を知らしめた。 「おめでとーさん! こんでオメーも立派な雄や」 「まんだ実感あらへんけーど、おめこほんまに気持ちよかったわ……」 萎えて白糸を引く雄肉を鳥穴から抜いて一度きりの経験を経た友を、手放しで祝福したオトスパス。そして万太郎へ向けられた眼差しは途端に鋭く光った。 「ええか。オレの弟に手ぇ出いたらこねなコトになるわいの。よう覚えときやー」 ようやく拘束を解いて万太郎を砂に放り出した。行こかーと爽快な面持ちの二匹はその場を立ち去る。 「なっ!?」 浜に響くバクフーンの驚声。そうせしめていたのは万太郎だった。大鼬を仰向けに押し倒し、馬乗りになって獲物を狙う猛禽の眼差しを向ける。 「まだ足りない……もっと、もっとチンポ欲しい……!」 先の行為で記憶にない抑圧の箍を外された万太郎は、更なる耽溺を欲していた。途端にバクフーンの血の気が引いていく。 「あかん、コイツ絶倫や! タコぼん助け……おい逃げんなや! 助けんかいや! アホンダラぁ!!!」 海に逃げたオトスパスに憤怒を爆発させながら藻掻くも、万太郎の力は途轍もなく、逃げられない。 「満足するまで、帰さないぞ……!」 先程まで内を蹂躙していた火柱を、貪欲な鳥膣が一呑みする―― 寺社や古墳が点在する田舎の港町、ジュゴンの浜と呼ばれる砂浜で淫らに覚醒した万太郎は、その後も宛がないのをいい事に元凶たるオトスパスやバクフーンに対して頻りに淫行を強請るように。雄健で体力自慢と言えど、このままでは搾り尽くされると危惧した彼らはある日、万太郎を連れ出した。 小ぢんまりとしつつも格式高そうな佇まい。所謂陰間茶屋である。彼らは門番に声を掛けた後、その立派な正門ではなく裏口から入る。長い廊下の先の扉を開けると、待っていたのは&ruby(つつじ){躑躅};&ruby(かさね){襲};を思わす和装に身を包む妖し気なバクフーン。その姿を見た万太郎は言い知れぬ懐かしさを覚える。 「ようおこし。千度ぶりやのーバクはんタコぼん」 「千度ぶり! オメェは変わらんのーお玉」 姿違いのバクフーン同士が親し気に会話を交わす。妖艶な所作のお玉と呼ばれた方はヒスイの姿だが、立ち上がった際に&ruby(おくみ){衽};の隙間から股座のたわわな丸みがちらりと覗く。 「で、本題は何どす?」 「オメーんトコの稼ぎ頭、身請けされとったやろ。代わりにコイツどねやろかーて思うてのー。でーれーチンポ狂いで中も塩梅ええで」 「ほんまに? さいやったらうちも助かるわー」 オトスパスは万太郎を差し出し、お玉は具に品定め。垂れ目を細め、微笑を零す。 「よう仕込みゃあぎょうさん稼げるかもわからんのー。おおきんね。ほんなら&ruby(まえじぇん){前金};受け取ってくだんせ」 お玉から前金を受け取り、ホクホクな二匹。 「残りはこの子ぉの稼ぎ次第やさかい、一、二年ほど待っとってのー。お茶でもよばれますけ?」 「よばれたいとこやけーど、ワシら用があるさかいもう&ruby(い){往};ぬるわ。堪忍」 バクフーンは溜息混じりにそう告げた。 「ほーこ。またおいでてのー。気ぃ付けて往なんせ」 &ruby(たお){嫋};やかに袖を振り、早々に帰る二匹を寂し気に見送ったお玉。そして万太郎に目を向けるや否や、空気は張り詰める。 「あんた、名前は?」 「万太郎です……」 緊張の面持ちで応えると、お玉は大きく頷いた。 「ほんなら、あんたは今日から『万』や。みっちり仕込んで立派な陰間にしたるさかい、よろしゅうな」 「は、はい……」 「お万! はいとちゃう、へえ、や!」 「へえ」 自身を「お万」と呼ばれ、むず痒いような感覚がする一方、どこか懐かしさも抱いていた。 宛のない春めくこの地で、身を以て春を売る事となった万太郎改めお万。持ち前の身体の作りと能力、名器振りから、お目見えするなり男娼としての頭角を現した。「赤笠のお万」として客の心を次々射抜き、稼ぎ頭として偉大な先祖よろしくこの業界で天下を取る身となる。 次の客の相手を控え、仄かに行灯が照らす一間に待機するお万。一角の神棚に祀られる白く神々しい四つ足。御姿に目を遣る度、ろくでもない世界を創ったもんだと嗤笑する。そして窓に切り取られた満天の星。それを目にして何故か虚ろになるのだった。 「早う支度しなれー!」 「へ、へえ!」 奥から聞こえた催促で我に返り、赤笠のお万は今日も春を&ruby(ひさ){鬻};ぎに行く―― ---- 「そっちから来たか!」 物音に気付き、駆け付ける人間。万太郎と共に&ruby(くだん){件};の小判を収めた蔵の用心棒をしていた。&ruby(がんどう){龕灯};を片手に音のした場所へ突撃すると、盗賊と思しき二人の男とオオニューラが事切れていた。蔵の壁に刺さった四本の矢から、万太郎が止めを刺したのは明白。 「お万! どこだ!? 大丈夫か!?」 大声で相棒を呼ぶが、返事はない。照らした床には万太郎と思われる引き摺ったような血痕が外へ向かって続き、それはぱたりと途切れていた。 事態を聞き付けた警察が駆け付け、蔵の小判は無事護られた。その代償として姿を消してしまった万太郎。苦楽を共に過ごした相棒を失った男の心の穴は、容易く塞がれるものでなかった。 「どこ行ったんだよ、お万……」 見上げた新月の夜空は、種々の色と輝きを放つ無数の星に埋め尽くされ、川とも羽衣とも取れる朧が横切る。かつて万太郎とふたり眺めた、変わらぬ空。 走馬灯の如くこれまでの日々が駆け巡る。初めて出会ったあの日、小回りを描く矢の軌道の会得に苦戦した事、旅の途中でオドシシの仔に触れた微笑ましい瞬間、初めて用心棒の仕事を遂げた欣喜……。 「お万……お万…………」 姿の見えぬ相棒を呼ぶ声は震え、星々の煌めきは徐々に滲んだ。抑え切れない哀情が、一気に溢れ出す。 &size(24){''「おまあああああああぁぁぁぁぁぁぁぁん!!!!!」''}; 男の渾身の叫びは、ヒスイの冷たい&ruby(そら){満天};へと吸い込まれて行った。 RIGHT:このろくでもない、ろくでもない宿世 LEFT: ---- 【原稿用紙(20x20行)】 31.3枚 【文字数(空白改行除く)】 9925文字(wordのルビ半角括弧込9981文字) 【行数】 232行 【台詞:地の文 台詞率】 123:96行 56% / 2809:7309文字 28% 【かな: カナ: 漢字: 他: ASCII】 5129: 644: 3121: 1168: 56文字 【文字種%】 ひら51: カタ6: 漢字31: 他12: A1% ---- *あとがき、コメント返信 [#z9205732] うっすい仮面で失礼します。これはわかりやすいですね。自覚しております、P-tanです。 今大会では''2票''いただきました。こちらが今回の本気枠であるため、1票は欲しいなと思っていたので目標はとりあえず達成できました。ありがとうございます! さて、この作品におけるお題要素としてエントリー文面に「満天の星」を出しましたが、他にも卍固め、万力とかでもさり気なく出しています。そ・し・て、最たるものは主人公のヒスイジュナイパー、その名も「''万太郎''」! 感想等を見る限り、この作品最大の「まん」要素に気付いていないようなので、ここで種明かしします。 実はこの作品、とある歌が元ネタとなっています。それはつボイノリオ大先生の%%発禁%%歌謡曲、''「[[極付け!!お万の方>https://www.youtube.com/watch?v=9Tvb6KJ6a_E]]」''です。お題の「まん」と聞いて真っ先に思い浮かんだのがこの歌でした。終わりのご主人が叫ぶ場面は、この歌のアウトロに基づいています。歌詞中の「お万、こ~」の要素は全てこの作品に散りばめています。探してみてください。 P-tanのヘキなんですが、雄鳥は総排泄孔をぶち犯されて雌堕ちするのが至高かつ、ヒスジュナのきつきつ雄鳥まんこを書きたかったので、彼に「万太郎」と名付けて「お万」にしちゃいました。ちなみにご先祖様も同大先生の「[[インカ帝国の成立>https://www.youtube.com/watch?v=siNqfYfsUNo]]」が元ネタです。こっちの方がひどいです。マンコ・カパックは歴史上に名こそあれど実在が疑問視されてるようですね。なんでヒスジュナなのに先祖が人間なのってツッコミは大歓迎です。お万だけに(まぁシンオウ神話の件があるのはさておき で、なんでヒスイでもご主人に「お万」って呼ばれてるか? まぁ万太郎じゃ長ったらしかったんでしょうね。 万太郎の転生先は見知らぬ港町、出会った柄の悪い奴らは聞き覚えのない方言を喋っていた――ライオンキング((ティモンとプンバァはニューヨーク訛りで喋ってる))でも使われてる遠い地へやって来たことを表す手法ですね。鋭い方はこの方言で気付いたかもしれませんが、[[一昨年の変態選手権の作品>俺とあなたのイケナイ出逢い]]で既に登場しています。つまりこの地はミケツ、舞台のモデルは福井県小浜市です。倒れていた「ジュゴンの浜」も同市内の「人魚の浜」がモデルで、浜から見た海の景色は実際にストリートビューで見たものを描写しました。 彼らの方言がほぼ関西弁なのは、小浜が昔から鯖街道で京都と繋がってる影響が強いのと、北陸方言の福井県嶺北よりも近畿方言の近江、山城との行き来が容易であったことが考えられています。アクセントが京阪式なのは小浜周辺だけで、京都府の舞鶴や福井県の敦賀、嶺北各地はそこから外れるのもまた面白いですね。 他にも躑躅の件とかあるのですが、これ以上語ると止まらないのでさっさとコメント返信に移ります( もちろん、方言交えつつねっとりとヒスイジュナイパーを犯す性描写の絡み合いも変態で結構なのですが、お題に対して「万太郎」とヒスジュナにつけるどストレートさ、そして何より主人の「おまあああああああぁぁぁぁぁぁぁぁん!!!!!」という悲痛の叫びをわざわざ強調してシリアスに笑かしてくるところ、マジふざけんな(※褒め言葉)と思いました。そのインパクトが大だったので、1票入れさせていただきます。 (2025/06/22(日) 08:51) ありがとうございます! 万太郎やご主人の叫びのくだりは、先述の元ネタに沿ったものなので、これを機に是非聴いてみてください。ちゃんと歌詞の要素がこの作品に散りばめられているのがよくわかると思います。''つボイノリオ大先生様様です!!!'' 下品だけどポケモンだと見れました (2025/06/22(日) 21:58) ありがとうござ……え、これって、下品なんですかね……?(感覚麻痺)下品よりかは卑猥だと思って書いてましたが……。 ありがとうござ……え、これって、下品なんですかね……?(感覚麻痺)下品よりかは卑猥だと思って書いてましたが……。 -[[戻る>P-tan]] #pcomment()