ポケモン小説wiki
いつか消える雲 2 の変更点


ギャロップの言葉、フランの言葉、鉄の建物、そして沢山のポケモン…

リナは確信した。


奴らは人賊だ






不安が的中してしまった。まさかあの建物が…!
リナは恐怖しながらも、必死で逃げようとする。しかし…

「残念だったね…この基地を見つけちゃうなんて…」
もう一匹がだいもんじを放つ。大の字の赤い炎がリナへと一直線に飛んで行く。
だいもんじは炎タイプの技だ。草タイプのリナがまともに食らったら傷では済まない…!
ズ…ザァァッ!
同時に、リナは疲労が限界に達し、地面に突っ伏す。
(誰か…だ、誰か…)
まともに食らうと覚悟したその時だった。
ダッ…ダダッ…ダッダッダッダッダッダッダッ!
後方のポケモンの列から、黒い影と小さな炎が飛び出しこちらへ走ってくる…!
「ぬっ!?何奴だぁ!?」
二匹のギャロップも戸惑いを隠せない。その影はギャロップの横まで来たあと、
「ごがばぁっ…!」
ギャロップの頭を思いきり蹴り、更に高く宙に舞う。次は宙で体を捻ってリナと同じ視線の方向になり、リナの前にきれいに右手をついて着地する。
同時に砂煙が登場の演出のように派手に舞い散る。
砂煙が止むまでの時間を咳で自動的に
潰した後、もうそこまで迫っていただいもんじに顔を伏せる。
かろうじて目を開ける。
それはオレンジ色の尾に炎を灯す、手足に鋭いツメを持ったリザードだった!
リザードは呆れたように歯を半分見せ…
ザシュッ!ボシュウゥウ…



…一瞬だった…!
だいもんじはリザードのツメに切り裂かれ、闇に消えた…
考えられなかった。
普通だいもんじのような炎タイプにそんなことしたら手に大火傷を負う結果だ。
それなのに糸も簡単にこのリザードは…
それだけで分かった。


相当強い…


誰がこの状況でもそう言うだろう…
その後すぐに、二匹のギャロップが驚いたように後ろ足を挫いたように曲げてリザードを見つめる。
「デ、ディノ様!御怪我はありませんか!?」
そのディノ様とリザードはその言葉に不機嫌そうに舌打ちし、こちらを向き、リナを睨む。
「あ…あの…助けてくれたんですね」
リナはつっかえながらも、慌ててそう言う。
「クク…馬鹿が…助けたとでも思ったのかぁ?」
リザードは鼻で笑って見下すように言った。
と、次の瞬間…!
「グ…ググイッ…」
リザードがペンダントの先を不意に掴む。そしてその掴んだ手を、勢いよく上げる…!
リナの柔らかい首の毛に、ペンダントの紐がどんどん食い込む…!
「ぐ…ぐぐっ…そ、それはぁっ…」
リナは苦しそうにペンダントを
掴もうとする。が、届かない。
その間にもペンダントの紐は首に食い込み_______
「ブチィッ!!」
鈍い音と共にペンダントは宙を舞う。
同時に、それはリザードの拳の中にあった…
リナはそこに倒れこみ、目を一瞬閉じる。次に見たのはリザードの爪だった。
「ガガッ!」
リザードの蹴りを額にもろに喰らう…蹴りはリナを高く吹っ飛ばし、背中から落として砂煙を上げた。
その蹴りに容赦は無かった。リナを雌として扱う気持ちも…リザードはリナを見下ろして、笑みを浮かべた。
「快楽」を得たかのように…
リザードはまた後方を向き、ザッザッと音を立てながらギャロップや沢山の
ポケモンと共に、森へ向かって消えていった…

リナは息は荒く、傷だらけだった…
しかし、安息をつく間はなかった。
もう辺りは黒、黒、そして黒のオンパレード。
それはまた恐ろしすぎた…
バスケットも木の実も放り、
頭の痛々しい傷をさすった後、震える足で村の方角へ歩いていく…


「…ただいま」
家に着いたリナはやっと明かりが見えて安堵したのか大きくため息をつく。「あら、随分遅かったじゃないの。どうしたの?」
自分の帰りを待っていたのか、眠たそうな母、メガニウムがリナに駆け寄る。
「あら、バスケットは?」
「あぁ、フランに貸したの…」
信じるような簡易的な嘘を、本当の様につく。
「頭に傷が…大丈夫なの?」
「さっき転んじゃってね…」
いざとなった時の嘘のボキャブラリーは結構多かった。
「ならいいけど…」
リナは母の言葉を受け流すように自分の部屋に入っていく。そんなリナを母は複雑そうな気持ちの目で見ていた…


自分の部屋に入ったリナは、床に転がる。
体は砂で汚れ、額には3本の赤い線が
入っているが、もう川に行くことなんて、微塵も考えてなかった。リナはそのまま転がって、寝床まで来ると、ゆっくり体を止める。
そして目を閉じ、動かなくなる…
寝つく間にも頭から甦って、脳内で再生される恐ろしい出来事_____
とにかく自分はあの森で恐怖を覚えてしまった。あのリザードの自分をまるで奴隷のように見下す目と口…
そんな事を、考えながら眠りにつくリナを窓から月は、無表情で見つめていた…





 
- 「ズ…ザァァッ!」「ダッ…ダダッ…ダッダッダッダッダッダッダッ!」などの効果音はなるべく地の文で書いていただけるとありがたいです。効果音をそのまま文にすれば、簡単に表現する事は出来ますが、少々表現がシュールに見えてしまう、と、過去に活動していた時アドバイスを頂いたことがあります。例えば、

・同時に、リナは疲労が限界に達し、地面に突っ伏す。地面と体の間に挟まれた小石が、滑るたび鈍い音を立て彼女の体を傷付けた。

僕のような素人にはこんな表現しか出来ませんけどね…(汗)参考になればなぁ…と。(なる訳ないですが

また、リザードが駆けてくる音や、ペンダントを引っ付かんだ音は、逆に無い方がしっくりくるかもしれません。ペンダントを掴む部分は、リナが驚いて呻いた台詞なんかに変えてもいいんじゃないかな、とも感じました。
個人的な意見ですので、どうかは分かりませんが…(汗)

Tさんの描写力はかなり凄いと感じています。今後も、更なる向上を目指して頑張ってください!って、僕が言える事ではないですがね…(苦笑)
――[[フォーム]] &new{2012-05-02 (水) 02:03:51};

#pcomment

IP:210.153.87.97 TIME:"2012-05-03 (木) 00:34:19" REFERER:"http://pokestory.rejec.net/main/index.php?cmd=edit&page=%E3%81%84%E3%81%A4%E3%81%8B%E6%B6%88%E3%81%88%E3%82%8B%E9%9B%B2%E3%80%802" USER_AGENT:"Mozilla/5.0 (P02C;FOMA;like Gecko)"

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