注意事項
選手寮は基本的に一匹一部屋であるが、中には二匹以上で一部屋を使う者達もいる。その大半が家賃の節約のためのルームシェアであり、雌雄で居住スペースが分かれているため同性の兄弟選手や友達同士での利用が目立つ。無論それだけでないパターンもあり……。
ルームシェアが行われている男子寮のとある一室。そこに住むのはゼラオラとルカリオ。彼らは元々別の部屋で暮らしていたが、同じチームになった事が縁で、同じ空間に身を置いている。この日は試合こそないものの、めいめい欠かさずトレーニングを行い、揃って寮内のジムから部屋に戻って来たばかり。道具を置くなり、ルカリオはゼラオラに擦り寄った。
「なんだ、もうガマンできねーのか?」
黄色く大きな手が、青と黒に彩られた頭を強めに撫でる。青い尻尾は大きく左右に振れていた。
「お前の波導とにおいで、俺……発情しちゃう……」
「ったくこのヘンタイヤローめ」
「ゼラだって満更じゃないだろ」
熱を帯びた上目遣いに、笑みを浮かべながらも高鳴る物を感じるゼラオラ。ウソつけねーなと一息零し、ゼラオラが少し屈んで彼らの口は重なり合う。ざらつく猫舌と長い犬舌が絶妙に絡み合い、異なる唾液の味を、鋭い牙の並ぶそれぞれの獣の口内に広げる。成熟した人間男性の平均よりも高い身長を誇る雷猫は、平均個体より大きな波導犬から見ても大きく映り、背の低い自身に合わせてくれる行為に鋼の身を焦がす。
接吻を続けつつ、相互に汗の滲む肉体を愛撫する。同じチームに所属して以来、もうこうダンベルで攻撃を積み上げて戦う共通点から彼らは心を通わせ続けて恋愛へと発展し、ルカリオがゼラオラの部屋に住むようになり、もうこうダンベルを指輪代わりに交換して契りを交わし、選手同士
少ない手数で相手を仕留め、時に相手の裏を掻いてゴールを決める事もあるアサシンの役回りたるゼラオラは体を引き締めて硬い筋肉が盛り上げ、敏捷性と攻撃力に優れた体格である一方、ルカリオはタンクに準じて前線で戦えるよう、ゼラオラよりも太めな体格を筋肉が覆って、体力と攻撃力に優れたメレーに相応しい体作りをしていた。マッチョな雄の持つ異なる特徴を、直接触れて堪能する。
彼らの口が離れ、更に気分を高めようと腕を大きく上げ、相互に腋の臭いを嗜む。ルカリオはゼラオラの腋にマズルを突っ込み、鼻をひくつかせながら小刻みに嗅いでは時折強い吐息を吹いてゼラオラを震わせ、一方のゼラオラはルカリオの腋に鼻を近づけるなり反射的に口を半開きにしてフレーメン反応を起こし、それぞれに雄のフェロモンを感じ取って逞しい肉体に更なる快い発熱を促した。
「やっぱオメーのくせーマッチョはいつでもオレをアゲてくれるなぁ」
「ゼラの雄のにおいでずっと興奮してたい……」
試合でも発揮される血気盛んな雄を番たらしめる強いフェロモンの作用で、彼らの体は徐々に突出する立派な出で立ちへと唆される。鞘から顔を出して脈拍を映しつつ大きく露出する雄の弱点は異なる形状をしていた。曝け出される痴態を堪能し、彼らの手は相互に股間を丸く膨らませる部分へと伸びる。
「ルカのキンタマめっちゃクセになるぜ……」
「ゼラのいつでも丸くプリッとした感触は最高だぞ……」
彼らを雄たらしめる質量を揉んでは揉まれ、高まる興奮に弾力を強めていくのを感触に酔いつつ自覚する。ルカリオは徐にしゃがみ込み、濡れた鼻先を黄色い鈴カステラに押し付ける。
「俺、ゼラの金玉のにおいも大好き……」
そそり立つ大きく攻撃的な電柱越しに、雄猫の大玉を嗅いでうっとりする雄犬は、嗅がれる雄猫の痴情を大いに煽った。爆発しそうな衝動をぐっと抑え込み、ルカリオを立たせてお返しとばかりに青い毛を纏った黒いオオイヌノフグリの香りを嗜む。
「そろそろ、俺の体に……手を出してくれ……!」
ルカリオが更なる快感を欲した。しょーがねーな、とゼラオラは犬柱を握って刺激すると同時に、黄色い獣毛に覆われた筋肉を愛撫し出す。ルカリオは甘く鳴きつつ、リオル時代を彷彿とさせるまねっこで、お返しとばかりにゼラオラを弄ぶ。快楽に発せられる甘い鳴き声が、部屋の空気を震わせて混ざり合う。根元の瘤が特徴的なイヌ科の柱と先端に密集する刺々しい突起が目立つネコ科の柱が、互いに扱かれながら屹立して先端が触れ合うと、その心地よい感触に膨れ上がって雄の蜜を搾り出し、触れ合う部分を汚した。柱と玉、両者とも体格の大きなゼラオラの方が大きさとしては勝るが、体に対する大きさはルカリオの方が上回る。一方で付き方こそ異なるも、胸筋や腹筋等体を盛り上げる筋肉の数々は二足歩行同士で共通し、飽きる事なく彼らを楽しませた。
そして今度は自ら力強い突出を扱き、腋を開いて臭わせ、嗅がせたり、股を開いて気持ちいい金玉の丸みを強調させたり、後ろを向いて背筋や大臀筋の仕上がりを評価しつつ裏玉との相乗効果を嗜んだりと、自身の魅力を主張し合って楽しむ。
「クソッ……! エロすぎてっ、キンタマウズウズしちまう……!」
ゼラオラの鋭い顔つきが徐々に歪み、気持ちよく先走り続けて満遍なくぬめる臍越えの電柱は突起と血管、筋張りを一層目立たせて、限界迫る力強い存在感を示す。雄を扱く手は止まらず、中身を押し上げて硬くなる金玉に粘液が流れてそこから地面に滴る様までルカリオに曝け出す。
「お、俺も……エロいゼラのせいで……漏れそう……!」
ルカリオも端整な顔立ちが崩れ掛かり、濡れた犬柱の根元の瘤を膨らませて筋張った力強さを晒しながら気持ちよく漏らし続け、ゼラオラと同様に硬く収縮した金玉を汚して地面に滴った。
「一緒に、ブチまけちまおうぜぇ……ぐうっ!」
「あぁ……俺が、イくとこっ……見てくれっ! うおぉ!」
発情臭を強める汗に濡れてマッチョを際立たせ、限界迫って体積を増やす雄の象徴を扱き続ける様を見せ合う卑猥な雄獣の番。雄先から漏れ続ける淫蜜は次第に粘りを強め、大きく膨れ上がる事で噎せ返る程強まる性器臭にほんのり刺激的な変化をもたらし始める。
「チンポっ! イかせてくれぇ! ルカぁっ!!」
「俺もっ! ゼラにっ! イかされたいっ!!」
睾丸から雄の根元に流れ込む物を感じながら、互いの隆々とした怒張を握り、扱き合う。尿道を拡げんばかりの脈動と硬く筋張った表面の凹凸、そして集まった血潮の熱、放たれる寸前の気持ちいい雄のパワーを手で感じつつ、伴侶であり現役のアスリートが発情に任せて雄臭いマッチョと化し、前立腺の決壊と収縮を以て最も大きく膨れて生殖の快楽に堕ちる瞬間を迎える。
「グオォォォォォォォォォォッ!!!」
「アオォォォォォーーーーーン!!!」
握り合う部分が硬く太くなり、尿道を歪に膨らませた獣の遺伝子が白く顔を覗かせた瞬間、弾け飛ぶ快楽と波導並びに電流を伴って勢いよく噴き上がる。相互に曝け出す成熟した雄の最たる場面に、快い朦朧へと一層没入させられる。やがて重力に従って降り注ぐ種汁は彼らに降りかかり、濃厚なフェロモンを放つ濡れたマッチョをカルキ臭く上塗りする。尚も発射を続ける一物を弄び、白いぬめりをその出所たる膨らみにも塗りたくって彼らは悦ぶ。やがて勢いを弱め、脈動しながら白く滴らせる雄砲を眺めてから手を汚す白を粘つかせて楽しみ、手をきれいに舐めてその口を重ねる。扱き続けて染み付いた雄臭と漏れた刺激臭が鼻に抜け、苦味と塩気と甘味の混ざる粘つきが口内を支配して、子種を放った体の燻りを一層持続させた。
事を遂げて座り込む二匹。その様相は対照的だった。
「いいよな。お前はすぐに引っ込んで」
不服そうに手を伸ばして鞘に収まり掛けた雄猫を突く。
「オメーの方からそそのかしてきてそりゃねーぜ」
苦笑いを浮かべるゼラオラ。その視線の先には未だ硬く天を衝く雄犬の象徴。脈拍に合わせてひくつきながら白濁を垂れ流し、睾丸やその下の床をも濡らす。本格的な射精に至ると短くとも数十分はこの状態が続く。そんな状態で赤面したまま見つめられては、賢者の境地に立ったゼラオラとて冷静でいられる訳がなく……。
「んじゃ、最後まで気持ちよくさせてやっかー」
突如前屈みになったゼラオラは、手と口で雄犬を愛玩し出す。
「お、おいゼラっ……うぅ!」
果てて一層敏感になっているルカリオには効果絶大。ひくつく一物のみならず、断続的に強張る筋肉や目を細めて牙を覗かせつつ悶える端正な顔立ちも楽しむ。苦味と塩気によって引き立つ、精子の運動の糧となる甘味を、ざらつく舌は強く捉えた。
「コレもツガイになったオレの務めだかんな。遠慮しねーでヨがっちまえ」
「うぅ、ゼラ……気持ちいい……!」
未遂となった交尾結合の代わりたる刺激を与え続ける雷猫。その引き締まった体の内に、再度生まれる熱。それは鼻を刺激する強い雄臭によって促進され、身は一層焦がされる。
「わりーなルカ、オレ、ガマンできなくなっちまった……」
突如ルカリオを四つん這いにさせ、露になった臀部に舌なめずり。床に零れた雄液を爪に纏わせ、窄まる後穴を慎重に押し開く。雄犬の喉から漏れるくぐもった嬌声。肉壁に沿って指を回し、軽く解して抜かれた所に、再度電柱となった突起だらけの先端が押し当てられる。長いマズルの目立つ蕩けた見返り淫犬が、尻尾を横に倒して物欲しそうに潤んだ目を向けた。両手で腰を鷲掴み、押し付けを強めると先端が菊の狭窄を抉じ開けて侵入する。
「ぐぅ……!」
ゼラオラは即座に快楽を声に漏らす。ルカリオは刹那の強張りをゼラオラに伝えた。押し開く先端を彩る無数の突起が、犯される性感の更なる増強に寄与してルカリオを虐め、冷め切れない火照りは包み込む肉襞から電柱へと伝播して、絶妙な締め付けと共に体脂肪の少ない隆々とした身を戦慄かせる。
「……あ、あっ!」
雄膣越しの硬い感触と同時に、甘い声を発したルカリオ。この存在こそまさしく、精子を元気にする食堂たる部分で、雄の内部に存在する弱点でもあった。
「へへ、ココがいいんだよな……」
ゼラオラはその部分をピンポイントに攻める抽送を始めた。
「あ、あぁ! い、いじ、わるぅ……!」
白く駄々漏らしながら犬柱を脈打たせ、試合で見せる前線で戦う勇ましさからは想像の付かない雌犬の如き破廉恥な姿を晒す。反射的に発せられる電流も手伝い、黄色い獣毛に覆われる分厚い背筋が断続的に跳ねる様は、犯すゼラオラに更なる熱情をもたらし、浅めの抽送ながら体内で雄々しく怒張させては脈動して汚す快楽に悶えさせる。
「たまん、ねーぜっ! ルカぁ……」
「やっ、やめっ、ゼラぁ!」
「やめるわきゃ、ねーだろっ! ぐうっ……!」
次第に濡れた音を立てる、ルカリオに享楽を与える行為は、仕掛けるゼラオラをも次第に余裕を奪っていく。次第に前屈みになるゼラオラの鼻により強く感じていく愛しの獣臭。ルカリオは涙ながらに、雌にされる喜びを卑猥な嬌声に乗せた。
ピンポーン
だがその熱情は、途端に響く音に掻き消される。動きを止め、眉間に皺を寄せて舌打ちするゼラオラ。
「出なくて……いいのか?」
「どーせ、たいしたことじゃ、ねーだろ……居留守使って、続きシよーぜ」
心配するルカリオに対し、ややぶっきらぼうに答えた。
「それで済む相手ならいいが……」
ルカリオは尚も心配そうにしている。気を取り直してルカリオの腰を強く掴んだ瞬間――
ピポピポピポピポピポピポピポピポピポピポピポピポピポピンポーン
「だぁーーーうるせーーーーー!!」
完全に雰囲気を破壊したインターホンの連打に、激高の余り喚いた。
「しょーがねぇ、出るか……」
ゼラオラは超速で玄関前へと移動し、タオルで全身を粗く拭いてから獣ポケモン向けの消臭芳香スプレーを振り撒き、タオルで股間を隠しつつドアノブに手を掛けた。
扉を開けて顔を覗かせるなり、プシュッと何かを吹きかけられた。
「ぶわっ何しやがる! ってオメーかよSwift……」
部屋の前に佇む姿を見るなり、溜息を零した。
「やあ! 君に合いそうな香水を見つけたから試しにと思って」
「はぁ?」
怪訝に顔を歪めるゼラオラ。むわっと広がる甘い香り。
「……オレこーゆー甘ったりー香り好きじゃねーんだけど」
「おや、そうかい。そりゃあ残念だね」
苦笑いを浮かべるSwift。その様相に更に溜息を零した。
「用事ってソレだけかよ? だったら帰んな」
「待って待って! もひとつ大事な要件が」
「んだよ……」
流石に苛立ちを隠せなくなってきたゼラオラ。手短に話すからと宥めた上で要件を話す。それは明日行われる試合についてだった。
「昼の二時から開始……おぅ、わかったぜ」
「邪魔したね、それじゃ、ゆっくり
飄々とした面に舌打ちしてから乱暴気味に扉を閉める。タオルが雄柱と擦れる刺激にゾクリと心地よく震えるゼラオラ。待たせている伴侶を気に掛けつつ、時短たるボルトチェンジで営んでいた位置に仕掛けたマーカーへ一直線に戻った。
ズプッ!
「あぁぁぁっ!」
勢い任せの挿入に、ルカリオは大きな嬌声を上げて戦慄いた。
「ぐおおぉぉ!」
同時に再度挿入を果たしたゼラオラも歯を食いしばって背中を丸める。
「なんで、こんなっ、チンポ、感じちまっ……グルルッ!」
これまでとは桁違いに強い刺激と性感に、ゼラオラは必死に堪える。ルカリオの体内で即座に電柱は張り詰め、急激に引き締まる睾丸に覚えたむず痒さは忽ち強まっていく。
「あっ、ゼラっ! しびれちゃ……うぅん!」
犯す突出からも不可抗力で発せられる電撃が、ルカリオの内部の急所を直接刺激する。だがゼラオラ同様に、ルカリオも刺激に対して敏感な反応を示すようになってきた。再度の挿入以来一切の抽送がないにも関わらず、ゼラオラは強まる快感に抗えずに太く長く張り詰め、差し迫る二度目の絶頂に体内をドクドク汚していく。そしてルカリオは更に欲しがって内圧を断続的に強め、ゼラオラを激烈な昂りへと導こうとする。
「
「あぁっ! ゼラ、ゼラぁ!!」
気付いた所で遅かった。もう少し長く楽しむ筈だった営みは、呆気なくその佳境を迎えようとして彼らの肉体は一層強固に結ばれる。
「オッ、オォォォォォォォォッ!!!」
「くわあぁぁぁぁぁぁぁぁぁん!!!」
ほうでんを伴う種付けは、Swiftによって狂おしい程の快楽となって彼らに襲い掛かる。最奥に達した刺々しい先端から勢いよく放たれ、その衝撃で責められた前立腺の声なき叫びに、勃起を維持したままの犬柱は再度律動して残った精を搾り出される。
あわや意識を手放す所まで行きかけたが、どうにか堪えた。絶頂の反動で力が抜け、ルカリオの背に覆い被さる。
「あー、わりー……重てーだろ」
「まだ平気だ……」
快楽燻る引き締まった胸と腹に直に伝わる分厚い背筋に、この状態でもゼラオラの体重を余裕で支え切れる格闘タイプの強靭さが窺えた。
「このまま休んでもいいぞ」
「おぅ……悔しーけど、めっちゃ気持ちよかった……」
言葉に甘え、ゼラオラはしばしこの状態で身を休める。先程まで興奮を掻き立てていた体温と心拍、そして臭いは、今や彼の心に安らぎを与えていた。
「ありがとな、ゼラ……おかげで俺、もっと気持ちよくなれた……」
「へへ、オメーのためならこんくれー朝飯前だぜ」
「だがこんなにへばって……明日の試合は大丈夫なのか?」
「試合……あ! 昼の二時からやるってよ」
図らずもSwiftからの連絡事項をルカリオの言葉で思い出す。それまで休めば大丈夫だろうと、ルカリオも息を吐いた。
「ちゃんと休むからよ、ぜってー勝とうな」
「ああ。勝てるようにいやしのはどうを送ってやる」
徐に萎えた電極を穴から抜き、ゼラオラは仰向けに寝転がる。ルカリオは口を重ねつつ、温かな物を纏った手でゼラオラの身を擦った。
ここは女子寮の一角にある部屋。そこにお邪魔していたのは、異性であるSwift。この部屋の主で、陰でひと知れずよからぬ事をしていたりするサーナイトに、新たな動画を見せている所だった。
「あら、近頃話題のふたりじゃない。喜んで買いましょう」
「ありがとう♪ 試合も勝ったし、みんな幸せになったね♪」
サーナイトから現金を受け取り、懐に仕舞う。
「また期待しちゃっていいかしら?」
「ああ、君の望むままに」
上機嫌で部屋を出て行くSwiftを見送り、姿が見えなくなるや、サーナイトは別室へと足を運んだ。扉を開くと、寝床で仰向けに拘束されたハピナスが目に飛び込む。
「私の噂を聞きつけてここへ来たみたいだけど、あなたの望みはいったい何?」
怪しい笑みを浮かべつつ、ハピナスに訊ねる。ハピナスは真剣な眼差しで、サーナイトを捉えた。
「そろそろわたしたちハピナスに、紫タグ以上の高級ホロウェアを実装させてください!」
彼女の訴えるホロウェア、それはジルトレーダーズの店主であるジルが発明したホログラムの衣装であり、ユナイトバトルに於けるお洒落要素を大きく担うコンテンツ。一見派手で動きにくそうな衣装も、ホログラムであるために選手のパフォーマンスに一切の影響を及ぼさないため、自由度高くデザインが可能であり、開発側にも嬉しい物となっていた。
一方でホロウェアの有無でキャラクターの人気が左右される事例もあり、タグの色が紫以上の、バトルパス特典含む高級ホロウェアが実装済のキャラクターは人気の傾向が強い事も前々から知られていた。このホロウェアに於いてもキャラクター毎に格差が生じ、ルカリオは紫ホロウェアが三種類、サーナイトに至っては紫一種類のみならずバトルパス特典を二種類も持つ高待遇である一方、ハピナスは参戦時期がサーナイト同様最古参に準ずる程長いにも関わらず、紫ホロウェアすら実装されていない現状を憂えていた。ホロウェアに関しても、サーナイトがよからぬ取引をしたのではと実しやかに噂されており、そんな彼女に藁をも縋る思いで訴えたのが、今ここにいるハピナスだった。
「言われてみれば、まだなかったのね。私に訴えたところで、どうにでもなるものじゃないけれど、あなたの恥ずかしいところを見せてくれたら、運営に掛け合う『かもね』」
「うぅ……」
ハピナスは赤面して目に涙が滲む。目を細め、口元を隠して笑いながら、サーナイトはあられもない姿を眺めて楽しんだ。
「そろそろ
サーナイトに触られた腹部が突如疼き出す。ハピナスはまさに卵を胎内に抱え、大きく張っていた。
「いや……なんでこんなときにっ……!」
産気付く我が身に抗おうにも、生理現象であるため成す術がない。下りようとする疼きが強まる中、開けっ広げにされた両足の丁度真ん中を走る割れ目から透明な粘液が流れ出す。産卵の始まりを告げる破水は、瞬く間に寝床を濡らしていく。
「み、見ないでぇ……!」
べそをかきながら産卵に臨まざるを得ない痴態を舐めるように観察しては上機嫌のサーナイト。
日々無精卵を産み落とすハピナスにとって産卵自体は苦ではないものの、試合中に於けるハピナスのタマゴうみとタマゴばくだんは実際には産み落として使う訳ではなく、それに準じた技術を以て技を繰り出すとされている。そのお陰で試合に於いて支障のない早い技の回転率と、産卵に伴う体の負担や無防備な瞬間の暴露、体液の汚れ等の問題解決を実現させている。ところが今こうして実際に卵を産む瞬間を曝け出されてしまっている以上、彼女が羞恥に涙するのも無理はない。
「高級ホロウェアのためよ。あなたの存在意義を見せなさい、ハピナスさん」
「恥ずかしい……見ないで……ううっ……!」
すっかり濡れそぼった割れ目が、徐々に盛り上がって丸く開き出す。白い殻が曝け出された膣肉から覗いて、それは徐々に全貌を明らかにしていく。サーナイトは高まる情欲に息を乱し、スカート状に伸びる部分の隙間から覗く秘裂は濡れて、透明な蜜が糸を引いて地面に滴った。そして今まさに卵によって拡げられる雌陰に舌を這わせて潤う蜜を味わっては更に昂る。
「な、何するんですか変態~っ!」
「私に見せて、雌として最高の瞬間……!」
半分近く姿を見せる卵を軽く突くと、それだけでハピナスは身震いした。やがて卵の最も太い部分が現れ、同時に割れ目は最も大きく拡げられる。乙女でありながら毎日産んでいる証が、この瞬間に顕在化した。
「いっいやっ! 産んじゃう~~~!!!」
隠す術すら失った状態で産んでしまう羞恥に泣き叫ぶ中、卵は膣口から抜けて寝床に転がり落ちた。同時に卵に塞き止められていた蜜が大量に迸る。すっかり開き切った膣内は、無数の襞が奥まで続いているのが視認出来る程だった。卵を取り上げたサーナイトは、殻を汚すぬめりを舐め取りつつ悦に入る。
「うふふ、今日はごちそうね……」
狂気たる様を目の当たりにしたハピナスは当初の目的などすっかり忘れ、言葉を失って泣きじゃくるしかなかった。
――ハピナスの訴え叶わず、未だ高級ホロウェアの情報はないが、もしかすると本当に追加されるかもしれない。今後そうなるか否かは、最早サーナイトの気分次第であった。
Special thanks: Tenebscuro
【原稿用紙(20x20行)】 26.1枚
【文字数】 8580文字
【行数】 168行
【台詞:地の文 台詞率】 82:72行 53% / 1743:6930文字 20%
【かな: カナ: 漢字: 他: ASCII】 4198: 969: 2565: 884: 57文字
【文字種%】 ひら48: カタ11: 漢字30: 他10: A1%
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