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エンゲージ・インシネレーター engage night の履歴(No.1)


※R-18
※超突貫工事執筆につき校正すらしてない即興クオリティ
エンゲージ・インシネレーターの直後の物語イメージで書いてるし上手くまとめたつもりだけど、あまりに突貫工事すぎて世界観やキャラクターの整合性に不安が残るためパラレルワールド妄想推奨
※27日に間に合うことが最重要事項なので間に合えば良かろうなのだ
※それでもOKな方はどうぞ!

written by 慧斗


エンゲージ・インシネレーター engage night




忙しい人のための「エンゲージ・インシネレーター」あらすじ

 肉球の怪我の静養で平坂島に来ていたポケモンファイターのフロイド(20歳、ガオガエン、雄)は成り行きで島の名所の炎帝神社に滞在することになり、そこで踊りの練習に励むロネア(20歳、ゾロアーク、雌)に出会う。
 指輪や過去の記憶に触れる中で二匹の仲は少しずつ近づくが、ある夜二匹は奇妙な異空間に引きずり込まれてしまう。
 睡魔に襲われる空間に肉体を捕食しようとするエンブオーの襲撃で二匹の命運は尽きたかに思われたが、「自分は触られたから逆に自分も触れる」ことに気づいたフロイドの反撃により事態は一変、返り討ちにする事で辛くも脱出に成功した。

 その中でうろ覚えだけど大切な記憶が蘇り、約束が守られたことや再会である事を思い出した二匹は、震えながらも半歩ずつ歩み寄ってそっと唇を重ねる―



 絡みつく舌がそっと離れていくと、互いに忘れかけた呼吸を速く深く繰り返す。
 歪みかけの視界でロネアを見ようとしていると、目の下に爪が触れて視界が元に戻る。
「フロイドも、辛かったんだね」
 涙声のコメントに一瞬動揺したが、それも変じゃない話に思えてくる。

 孤児院のみんなとは音信不通、ファイターになってからも常に一匹で戦い続ける日々。
 社長やコーチも厳しくて嫌味も多いけどなんだかんだ気にかけてはくれるし、血に濡れながらも昇格戦を制した時には観客は歓声をくれた。
 けれども心の中では何故か一匹で戦い続けるような感覚があって、期待や歓声なんかじゃ拭えないし何なら少しずつ沈んでいくような気さえしていた。
 誰かに囲まれているはずなのにずっと一匹で戦い続ける感覚、それが「もっと認められたい」願望の原因だったのかもしれないし、俺がもう半歩歩み寄れた理由なのかもしれない。
 その点ロネアが気づかせてくれたのはラッキーだった。もし何かの間違いで孤独感に沈みそうな中で辛さに気づいたら、多分半年持たずにすぐに潰れる気がする…

「まぁ、その辛さは二度と味わわずには済みそうだぜ…」
 はっきりした答えもありがとうも言い忘れ、それでもロネアには涙を浮かべたままでいて欲しくなかった。
 ロネアにもこれから先辛い思いはしてほしくない、けれども本当に辛いことがあった時には俺の前では辛いことを隠さずにいて欲しい。そんな矛盾しそうな感情は俺の右手にロネアの涙を拭わせていた。

「ありがと、でもなんか不思議な感じ…」
「不思議な、感じ?」
「ほら、ずっと指輪を渡して約束してくれた男の子が現れて本当に困った時に助けに来てくれた。普通なら忘れてしまいそうな話だし、私もちょっと諦めかけてたのにフロイドは助けてくれた。それが不思議な気がして…」
 つぶやきながら胸元に摺り寄るぬくもり。そこに悪意や思惑なんてなく、ただ純粋に俺のぬくもりを求めてくれている。
 俺自身ロネアに求められるようなぬくもりがあったことには驚きだし、別に不快な事をされてる訳でもないから止めたりもしない。
 けれども湧き上がるこの感情はどう言えばいいんだ?ロネアはどんどん俺に近づいてくるのに俺は大幅に出遅れている感じがもどかしさのような悔しさのような…
 ずっと約束を信じていたロネアと思い出したばかりの俺とではやっぱり想いの差がありすぎたのか?でも火曜日から日曜日までの奇妙な時間を経て「もっとロネアといたい」想いは俺にだって芽生えてる。想いの強さに比例して満たされると言えばそこまでだけど、俺だってもっと…

「ロネア…」
「どうかした?」
「…いや、俺もなんか、ちょっとな。うん」
 何となく名前を呼びたくなって呼んでみたけど、気恥ずかしさと上手く言えない感情が邪魔をして答えも答えにならない。
「あーごめん、ちょっと私ばっかり堪能してたかも」
 胸元にすり寄るぬくもりが離れていく。
「すり寄ってきて、いいよ?」
 左腕だけ振袖を通した両腕を広げて、別の意味で俺を求めてきた。
 要はロネアが俺の胸元にすり寄ってきたように、俺もやってみろということらしい。

「…普通に家族同士ではよくやる事だから、そんなに恥ずかしがらなくていいよ?」
「あぁ…」
 嘘じゃないとは思うけど、知識不足で追いつけない事がまた一つ…

腕を広げて俺が来るのを待ってるロネアと未知の領域に困惑する俺の間に空虚な時間が流れる。やけに月明かりが強い…
「困惑するフロイドの気持ちも分かるけど、私もなんだか恥ずかしくなってきたから顔ひっつけてくれるだけでいいし、…来て?」
 頬染めと身長差による不可抗力な上目遣いでねだられた。

『フロイドにも家族みたいにスリスリしてほしい』
「…?」
 なんか一瞬ロネアの声が聞こえたような気もしたけど喋ってる様子もない。
 落ち着け俺、ついさっき初めてのキスを成功させたんだ。あの声がロネアの声かどうかはともかくねだられてるのは事実、キスより簡単なんだから覚悟決めるか…!

 緊張と動揺を極力抑えながら片膝をついて着崩した胸元にそっと顔を当てた。そして小さく頭を上下にすり寄せる。
 上手く表現できない感覚、でもこうすると落ち着けるような…
「満足するまで続けていいよ」
 俺の背中に両腕が回されてさりげなくゲットされた、どっちが満足するまでだよ…
でも折角なら俺だって色々感じさせてもらうからな…!

俺がロネアの胸元にすり寄るさっきとは逆の構図、最初は恥ずかしかったけどこうしているうちに少しずつ言い表せない俺の想いが掴めてきた気がする。
『ロネアが俺を想える分だけ俺もロネアを想っていたい』
 多分これが答えだ。俺がロネアに分からないことだらけで感じた悔しさのような感情も、ロネアが俺にすり寄って感じたもどかしさのような感覚も全て説明がつく。

「ありがとう、嬉しいよ…」
 抱きしめる力が強くなって顔がロネアの胸にうずめられる。
 涙声に震える胸に吐き出される酸欠気味になって荒くなっている俺の吐息がロネアの香りを巻き込んで戻ってくる。
 ロネアは俺に涙を見せたくなくてこんな状態になってる以上不可抗力だし、嬉し涙を止める理由も特にない。
 酸欠気味の頭はとっくに複雑な思考を放棄、すり寄せる頬の感触の妙に安心する心地良さとロネアの香りで名状しがたい気分になるのが限界だった。

「フロイドが左ばっかりすりすりするけど落ち着かないから右にもして欲しいよ…」
「ん?」
 一瞬両腕の拘束が緩んだ隙に呼吸を整えながら聞き返したけど、何故か上の空なロネアを見る感じ空耳か?空耳にしてはしっかり聞こえたけどな…?

 それとなく俺が(半ば強制的に)すり寄っていた場所で左右がある場所を見ると、右袖に通していないからか左胸にだけ衣装がかかっている。
 布に触れていた記憶はないけど、無意識に健全な方に偏っていたのか…
「…」
 まだすり寄ってもいいしあの声がロネアのものならむしろ願望だ、仮にあれが空耳で俺の思い違いだったら気づかないフリでもしてやる。
 悪いが俺だって悪タイプで雄だからな、ちょっとぐらい…!
 すり寄せる頭を衣装のない右の膨らみに近づけた。
「…っ!」
 黙って俺を抱きしめていたロネアの口から確かに小さな声が漏れ出た。
 反応次第では止められるように一瞬止まったけど特に嫌がる様子はなし、嫌がる反応があればすぐに止める前提で右の膨らみを堪能する。
 手で触れないし露骨な事もできないけど、頬をすり寄せたりそっと息を吹きかけるだけでも不思議な感覚になってくる。
「ふぅっ…はぁっ……」
 ロネアは俺を抱きしめたままだし、嫌がるどころか息が荒くなってきている…
 ちょっと出来心とはいえやり過ぎたか…?

「フロイド、そろそろ本堂の、お線香、焚かなきゃ…」
 ようやく両腕の拘束から解放、息の荒いロネアは部屋の奥の祭壇に向かって内股で歩いていく。
 ロネアの願望だと思ってやったのは間違いだった、あれはちょっと俺本位だったし…

『フロイド、聞こえますか?』
 床に胡坐をかいてぼんやりロネアを見ていると祭壇の傍にいつかのエンテイがいた。
『良かった、力を使いこなせるようになってますね。私はあなたにしか認識できないので返事はいいです』
 あの夜の一件とか正体とか聞きたいことは色々あるけど黙って頷いておく。
『ロネアは今お線香に悩んでいるんですが、赤いお線香を使うようにあなたから言ってくれませんか?今夜はあの香りが必要でしょうから』
 赤い線香?最近そんなの売ってるんだな…

 立ち上がって祭壇で線香に悩むロネアの傍に行く。赤い線香も引き出しの奥にあった。
「フロイドはどのお線香がいいと思う?無香料もいいけどスプラッシュマリンの香りも悩むんだよね、でもシトラスも捨てがたくて…」
 無香料の線香って何だ、無香料って。お香の香りはどうした…
「制汗剤みたいな線香だな。まぁ、敢えて言えば俺はこの赤い線香が気になるな」
「こんな赤いお線香なんてあったかな?でもお祭りの日にはいいかも!」
 ロネアも知らない線香の存在を知ってるとか本当に何なんだあのエンテイ…?
「あとは火をつけて、ライターもマッチもない…?」
「ほいよ」
 指を鳴らしながら発火させて線香の先っぽに点火。
「すごい!フロイドそんなことできたんだ!」
「別に大したことじゃない、それより灰が落ちないうちに供えようぜ」
 …俺だけの特技でもなければガオガエンの特技でもなく、指鳴らせる炎タイプはみんなできる事を一応補足しておく。

「このお線香、いい香りだけどちょっと不思議な香り…」
「そうだな、こんないい香りなのにあんまり嗅ぎ慣れない香りだよな…」
 俺もロネアも知らないけど、とりあえずいい香りなのは間違いない。

『ありがとうございます。いい香りでしょう?』
『確かにいい香りだけど、これは一体?』
『混乱実の生る木の花の香りです、あなたたちを手助けするにはちょうどいい香りかと』
『手助け?』
『あなたにも聞こえたはずですよ、願望という名の魂の声に素直になってください』
『魂の声?』
 さっきから質問しか浮かばない。ロネアへの想いといい今の話といい俺だけ置き去りくらってるな…
『あなたの“魂と語り合う力”は信じあえる相手とは互いの願望を伝えられるんです。さっきそれが聞こえたから右の胸を焦らしたんでしょう?』
『…あれは空耳だったし俺が調子に乗って悪かったと』
 流石に嫌われても文句言えないよな…

『悪いなんてとんでもない、むしろあの子には花丸ですね。まぁロネアは変な所でシャイですし、貴方も童貞ですからそう思い込むのも無理はないですね…』
『そっち方面あんま意欲的じゃねぇけどDTいびりされると流石に雄として凹むんだが…』
『まぁそんな経験もこれが最後ですから。魂の声は噓偽りのない願望、ロネアの事を想って行動しようと頑張る貴方にとってはテストの模範解答と同じぐらい役立ちますよ』
『そうか、良かった…』
 仄かに、けど確かに心に灯った光を感じて数瞬だけ目を閉じる。出会った時から俺の事を想い続けていたロネアに比べたら急展開だった俺はロネアへの想いは弱くて不完全で、何なら本当にあるのかどうかすら不安だった。でも、確かに俺はロネアの事が好きだった。傍目に分かる程度には現在進行形で。0じゃなくて1もあればそこから強くすることだってできる。16もあれば10000だって言い張るには十分。あとは俺次第だ。

「一匹で戦い続けた頃の悪い癖ともこれでお別れだな」
「フロイド?」
「あぁ悪ぃ、ちょっと独り言」

『迷いも晴れたみたいで良かったです、さっきの童貞いびりのお詫びにポケ払いとちょっとだけお膳立てしていきますので頑張って!』
 色々言い返そうとしたけど、エンテイは柱の奥を通り過ぎる事なく消えていた。


「うわあっ!」
 振り返るとエンテイの動きに気を取られていた時にロネアが仰向けに転んでいた。
「頭打ってないか?大丈夫ならいいけど…」
「ごめん、お香の香り嗅いでたらふらふらして…」
「さっきからちょっとムラっと来てたのに、あのお線香焚いてから滅茶苦茶ムラムラする…」

 さっきの様子を見ればそんな気はしていたけど、普通なら言わなさそうな事が聞こえるこれが魂の声なのか?
 原因はよく分からないけど普通の声と同じように聞こえるから正直判断に悩む…
「ごめん、ちょっと起こして…」
 焦点距離の定まってないような目で紅潮させながら手を伸ばしている。流石に一匹で起きるのもきつそうだ…
「ちょっと待ってな…」
 足側に移動して手を掴もうとした時、ロネアの振り袖の裾が乱れて開かれたまま視界に飛び込んでくる。
 着替えの直後俺の前に現れた時点で少し心配なレベルだった衣装だ。幸い踊りの時には見えてなかったけど、今は完全無防備に股が見えてしまっている。しかも紫で飾りも多いだけに月明かりに照らされて黒い毛並みは余計に目立っている。それに黒い毛並みの一部が少し濡れてるような…

「…フロイド?」
「…ぁあ、すぐ起こす!」
 雄の本能をごまかすようにロネアの手を掴んで勢い良く抱き起こす。
「ゃぁんっ」
「おっと!」
 ちょっと力を入れすぎた。軽く受け止めるつもりがロネアは俺にしっかりと抱きついて密着して…
「ん?」
「ぁっ」
 左の太ももに少し濡れる感覚。よく見たらロネアは俺の足にしがみつくような体勢で…
「ごめん、濡れちゃったね…」
 風向きが少し変わって線香の香りが流れてきた。

「キスの時からムラムラしてたのバレちゃった…フロイドがえっちなことしてくれたら嬉しいけど、そんなこと言ったらさらに幻滅されちゃうかな…」
「…」
 ロネア、そんなこと考えてたんだな…
 ここで退いたらデメリットしかない現状だが、魂の声抜きならきっと気づけずにいたかもしれない。
 アドリブなりにやってやるぜ…!

「別にいいけど、どうして濡れてるんだ?」
「それは…」
「別に責めてないから聞かせてくれないか?」
「…フロイドとキスしてから、ずっとムラムラしてて、お香の香りでこんなになっちゃった」
 いたずらがバレたゾロアの様な、それでいて恥ずかしそうな表情が俺の心を妙にくすぐる…
「そんなにムラついたまま我慢してたのか、何なら俺が抜こうか?」
「…いいの?じゃなかった、別にいいよフロイドに迷惑かけちゃうし寝る前にするから」
「迷惑なら俺から誘わねぇよ、それに今夜が最後の夜なのにこれを逃せば次がいつか俺にも分からないけどいいのか?」
 高圧的にならないように、それでいてロネアが頷けるように逃げ道を潰しながらさりげなく誘導する。
「嫌がることとか痛いことはしないように努力するし、何なら適宜どうして欲しいか教えてくれるぐらいでいい」
 安心できるように大事なことを伝えて、最後に一押し…
「ロネア、我慢しないで気持ちよくなろうぜ?」

「…」
「…」
 童貞に誘いのアドリブはかなり苦しかったか…
 せめて俺が積極的に抜いてればもう少しマシな台詞も言えたか…?

「…フロイド」
「どうしたロネア?」
「お願い、フロイドの手で気持ちよくして…」
 俺の名前を呼んで、胸も股も見えるように着崩した姿で上目遣いで伝えてきた。
 …俺の中で何かが目覚めた気がする。

「じゃあ何から始める?」
「…さっきみたいに、優しくおっぱい触って欲しい」
「お、おぅ…」
 …バレてたな、さっきの。
 内心悟られないように肩から両手を撫で下ろして大体の位置を掴む。俺の拙い知識だとここでパンでも作るように激しく胸を揉んでいたが、優しくというオーダーで助かった。普通に痛そうなイメージしかないんだよな…
 右手は衣装の上から、左手は直に円を描くように動かしながらゆっくりと撫でていく。
「左のおっぱいも、布越しじゃなくて直に触って…!」
「左、ってことはこっちか」
 衣装の中に手を突っ込んで両方とも直に撫でていく。
「ゆっくり近づけて、先っぽも…!」
 外周で円を描くように撫でていたのを少しずつ先端に焦点を当てていく。意識して見てなかったけど、こうして触ってみるとロネアの胸はそういう動画のゾロアークみたいなアンバランスな大きさじゃなければ体毛に同化するぐらいには小ぶりだが、形がものすごくいいし何より…
「っ、はぁっ…ふぅっ…」
 拙い俺の両手でもロネアは気持ちよくなってくれている。直には言えないけど正直ありがたい。
 密かに芽生えた謎の自信を持って、指の腹で硬くなった先っぽをそっとつまんで優しく転がし…
「ふろいどっ、そんなにしたら…私のちっぱい、変になっちゃう…!」
 さっきよりもロネアが快感で悶え始めた。これは上手く出来てるって言っていいよな…!
「続けるか…?」
「…一回ストップ!」

 素早く転がすのを止めてゆっくりと指を離す。ロネアの反応が見ていたくて続けたかったけど、自分でした約束を守る理性はあった。
「ありがとう、本当に止めてくれた…」
「痛くしちまってたか?」
「ううん、気持ちよかったけど…」
「けど?」
「イっちゃう前にこっちもしてほしいなって…」
 はだけた裾から覗く股、ロネアはその一部を爪で広げて俺に見せる。
 黒い毛並みの中に現れた血色の良いゲート、とても綺麗でさっきの様に濡れていて…
「…どうして欲しい?」
「優しく撫でたり…」
「こんなの頼むの恥ずかしいしドキドキするけど舐めて欲しい…」
 相変わらず二つ聞こえてくるのが違和感すごいけど、エロい方がロネアの願望というのがな…
 まぁ俺の心の準備もあるしお望み通り優しく撫でてから舐めてみるか…!

 指の腹でそっと触れる。湿っているけどほんのり熱を帯びて柔らかく、触れれば触れる程指が濡れていく。普段なら濡れる不快感に顔をしかめたくなるレベルだが、不快感なんて微塵も感じないどころか満足している俺がいるような…
「フロイド…!」
 急に涙声で名前を呼ばれて指を止める。
「ごめん爪立てちまったか…⁉」
 痛くしたのかと不安で思わず離そうとした手首をしっかりと握られる。
「止めないで…!」
「普通に辛そうだけど大丈夫なのか?」
「フロイドがえっちなことしてくれてるのは嬉しいし私がするより気持ちいいけど、ちょっとずつ寂しくなってきて…」
「なるほどな…」
 いわゆる賢者タイムが先に来る体質なのか?見た感じは風邪ひいて寝込んでる時の印象だけどな…
 原因は分からないがやるべきことは大体分かる。
「ロネア、俺はちゃんとここにいる。何だったら手を握っとくか?」
 左手でそっと涙を拭ってロネアの頬に添える。指摘されたら俺が多分恥ずかしさで死ぬ。
「うん…」
 俺の右手を両手でそっと握ってくる。不安げな様子が正直言って可愛いし、俺でいいなら今すぐその不安を拭い去りたい。
 そのためにもちょっと強引に願いを叶えてやる。
「でもこれじゃ右手使えないよね、左手に変える?」
「いや、届くから問題なしだな」
「届くってどうい、あんっ…!」
 言い終わる前に顔を雌の匂いのする着物の裾の隙間に突っ込んで優しく舐めあげた。
 ざらついた舌は痛いだろうから決して乱暴にはせず、それでいて絡みつくようにねっとりと舐める。蜜がしたたるなんて表現もあながち噓じゃない。
「フロイド無理、しなく、ていい、よっ…⁉」
「舐めてくれてるの⁉できればこのままイっちゃいたい…!」
 気を使ってくれるのはありがたいけど、俺だって好きでこんな事やってるんだ。その点については心配ご無用、むしろ気持ちよくイってくれる方が本望だぜ…!
「そか、じゃあ、お願い…!」
 それを伝えるための舌は現在舐めるのに専念して口にはしてないはずだが、ロネアは素直に俺に身を任せてくれた。
「でっぱったとこ、気持ちいいからもっとして…!」
 ついにロネアの言葉が一致した、上の方の出っ張りを舌先で引っ掛けてこねる様に舐めあげた。
「ゃあんっ!」
 さっきより声が大きい、ここだな…!
 さっきみたいに舌全体で舐め上げたり舌先でこねたり、優しく吸ってみたり、思いついた痛くない舐め方は一通り試していく。
 その度に腰が動いて逃げそうになるロネアの太ももを左手で優しくホールドして、すかさず舌の連撃を続ける。
「ふろいど、そろそろ…!」
 左手で小さくサムズアップして、全体を舐め上げてから出っ張りを引っ掛けて吸った。

「っ…!!!!」
 ロネアが左手を離して袖に嚙みつこうとした瞬間、蜜のしぶきが俺の顔めがけて噴き出した。


「ごめん、やっぱり恥ずかしくって袖噛んじゃった…」
「やっぱり恥ずかしいからな、気持ちよくなれたなら俺はそれでOKだ」
「うん、ありがと…」
 恥ずかしいのか顔を見せてくれなかったけど、こうして抱きついてくれると頑張った甲斐もあったと思える。

初めて覚えた達成感に満たされながらしばらく抱き着かれていると、突然抱き着くぬくもりが離れる。

「じゃあ今度はフロイドの番だね…」
「ん?」
 俺が聞き返すより早く、股に触れられてる感覚が全てを答えていた。
「さっき舐めてくれてる時からずっと興味あったんだ、爪とか歯は立てないからいいよね?」
「本当に敏感だから痛い事だけは勘弁な」
 無自覚だったけど結構前から勃ってたらしい。無自覚って怖いな…

「結構おっきいのかな、よく見たら細かい棘もいっぱい…」
「比べたことないけど棘は種族柄だな、ゾロアークの雄とは形状違うか?」
 普段自分でもあんま意識して見てないだけに、こうして雌のロネアに鑑定中の美術品みたいにじっくり観察されるとかなり恥ずかしいし返答もおぼつかなくなる…

「棘は逆向きに撫でても大丈夫?」
「あぁ、うん…」
 十分恥ずかしいはずなのにこうしてじっくり鑑賞されたり質問されていると、何故かこれからエロい事をされる前にたっぷり焦らそうとしているようにすら思えてくる。何ならロネアに手や口でモノに同人誌みたいなことをされてイってみたいような…
 …何考えてるんだ俺、流石に発想がクズすぎて俺自身でも…

「…っ」
「すごい、あったかいしちょっと動いた…!」
 まるで新種のポケモンを発見したみたいな純真な反応されると、性欲が出てきた童貞には対応しきれねぇぞ…
「フロイドって一匹エッチはどのぐらいの頻度でしてる?」
 …追撃がオブラートゼロ、ロネアってもしかして俺より詳しい?
「普段は週2回で、大きい試合前は一週間ぐらい前から禁欲してるかな…」
「雄って毎日そういう事してると思ってたけど、あんまりしないものなの?私でも週4はしてるけど…」
 しれっと夜の頻度教えられたな…
「普通はもうちょい多いと思うぜ。試合前に禁欲するのはコンディション上げるために業界では暗黙の了解だし、個人的に抜いた後の罪悪感が苦手で…」
 そっちの欲はそれなりにあるとは思うけど、その辺が原因で外で勃たなければいいという勝手なルールを俺自身に課していた。特に罪悪感は本当に重い…
「なるほどね、でも肉球怪我してた時はできなかったでしょ?それに試合前を合わせると、1ヶ月もしてないの…⁉」
「俺以上に驚くとこか?」
 正直自覚はしてなかったけど、ロネアに指摘されると妙にムラついてくるのも事実で…

「まぁいいや、後でちょっと取り込み中にさせてもらうか…」
「さっきのお礼にしてあげようか?」
「そうだな…っ⁉」
 ロネアは俺の答えを待たずに唾を垂らした手でモノを撫で始めていた。
「ロネア、無理しなくていいぞ⁉」
「さっきフロイドが気持ちよくしてくれたお礼だから、そんなに我慢してたらムラムラ通り越して辛そうだしね…」
 手で性的快感がじんわりと来ているけど俺の両手はやり場に困っている。誰かにエロいことされるのって結構恥ずいし申し訳なさもあるのに自分でやるのより気持ちいいのかよ…!
「悪いけど、俺は無理やりさせる趣味はないから嫌なら遠慮なく止めてくれて…」
「フロイド、私分かってるんだよ?」
 撫でる手が不意に止まる。

「私にとってあの時の男の子は心の中で王子様みたいな憧れの存在になってて、フロイドが助けに来てくれた瞬間に憧れがぞっこんラブに進化したから、周りに引かれるぐらいに私とフロイドとの想いの差ができてること。でも嬉しかったよ」
「嬉しかった?」
「フロイドはこんな私を助けに来てくれたし好きになってくれた、そして今も雌として見てくれてる。ちょっと幸せすぎて怖いぐらいだけど、だからこそフロイドには感謝してもしきれないし、今は気持ちよくなって欲しい。そんな事考えちゃダメかな…?」
「ロネアにとってそれが幸せになるなら、俺にそれを止める理由はないな」
 何か引っかかるけどYES以外に選択肢なんてない。

「良かった…!じゃあ早速で悪いけど、ちょっと仰向けになってくれる?」
「仰向け?まぁいいけどよ…」
 今一つ関連性が見えない。仰向けの方が何か都合いいのか?
 そのまま俺に背中を向けて胸の辺りに立つ。
「さっきフロイドからリクエストあったし、頑張るよ…!」
「え?」
 記憶を遡るより早く、俺がモノがあったかい中に入った。

・俺がロネアに何か性的なリクエストした?→心当たりなし
・ついに童貞卒業?→ロネアは俺の胸の辺りに立ってるからそれはない
・じゃあモノを包むこの感触は?

首を持ち上げるとロネアのマズルが俺のモノの先っぽを隠していた。

「ロネア、いくら何でも無茶しすぎだろ!」
 無言でサムズアップ。口の中に包まれたからなのか溜まってるからなのか分からないけど、とにかく理性が飛ぶ前に何とかしないと…!
「さっき口で同人誌みたいなことされてみたいって言ってたけど、ちゃんと気持ちよくなって欲しいな…!」
 まさか、俺の願望がロネアに伝わったのか…⁉
 あの時のカラカラも認められたい願望がどうとか言ってたし、断言はできないけどもしかしたらもしかするのかもな…

 色々悩んでる間にも舌がモノをなぞるように舐め始めたり唾を垂らして吸われたりして、溜まって敏感になったモノはじんわりと感じる快感で少しずつイける所に近づいて来てる。
「ごめん…ちょっと息継ぎ休憩…結構時間かかるね…」
 ロネアはこんな俺のために頑張ってフェラしてくれてる。俺一匹がこんな所で悩んでたらしんどい思いをさせるだけかもしれない。
 悩みすぎて決断が遅いのは現状成長する気配なしだが、ロネアに無理をさせないためにもやっぱり魂の声に正直になってみるか…

「ロネア、もし良かったら俺の指示した場所を舐めてくれないか?」
「それはいいけど、あんまり気持ちよくなかった…?」
「…そうじゃなくて、咥え続けるのもロネアがしんどくなるしちょっとな。まぁ気持ちいい所舐めたりしゃぶってくれたら嬉しいのは噓じゃない」
「そっか、フロイド優しいから気を使ってくれてるのかと心配だったけど、それなら良かった!」
「俺こそ心配させてごめん、改めて口で気持ちよくしてくれるか?」
「私が勝手に始めたからおあいこ、というわけで改めて喜んで…!」
 俺に向き合うように体勢を変えたロネアの舌が再びモノをそっと舐めた。


「…っ、もうちょい先っぽを舐めて…!」
 再開して数分でかなりイきそうな所まで来た。気持ちい場所を指示してるのはあるけど、それ以上にロネアのテクニックがさっきからの間でどんどん上手くなってる気がする…!
 五感と脳ミソが快感に蕩けてモノから伝わる快感以外に感じられなくなったみたいで正直気持ちいい以外の感想がない…

「ロネア、そろそろヤバいから口離せ…」
 射精直前なモノが夜風を浴びながら先走りと唾液に濡れて月の光を反射する。後始末のこと考えてなかったな…
部屋にあったティッシュを取りに起き上がろうとした時、息を整えたロネアが再び俺のモノを咥えた。
「それ以上やられると口に射しちまうから早く…!」
「折角だから口にいっぱい出してきもちよくなって欲しいよ…!」
「ロネア、…いいんだな?」
 俺が願望に気づいた事を知っているかは分からないが上目遣いで咥えたまま再びサムズアップしてみせる。
「じゃあ最後の指示だ、先っぽに舌を絡めるような感じで優しく吸ってくれ…!」
 イく間際まで迫ってたモノを舌がなぞり口を添わせながら吸われて射精直前の感覚が脳を走った。
「ロネア、出すぞっ…!」
 痛い程の勢いで射ている、久しぶりの快感は本能を刺激されるような未知の快感だった…


「フロイド、こんなに溜まってたんだ…」
 ロネアのマズルからは溢れたらしく、肩や手に白く垂れている。
「イった後満たされた感覚になれたのは初めてだ、ありがとうロネア」
「羨ましくなるレベルで滅茶苦茶気持ちよさそうだったね、頑張った甲斐あったかな?」
「ありすぎだろ…」
 普段感じたような罪悪感は皆無、快感の余韻に浸れたのも初めてかもしれない…

「肩と手の精液も飲み込んだから、一応お掃除しとくね」
 しれっとヤバい発言の後、モノに残った精液が綺麗に舐め取られた。
「あれ?もう一回できそうな感じ?」
「みたいだな、あんなに出したつもりだったのに…」
 丁寧に舐められてもう一度勃っていた。我ながら元気というか何というか…

「ちょうど良かった。またちょっとムラムラ来てたからフロイド、一緒に気持ちよくなろ?」
「あぁ、よろしく頼むぜ…」
 お互いに一度イかされ合っていると、精神的はイけるとこまでイけてしまうらしい…

 あぐらをかいてスタンバイ、そこにロネアがゆっくり降りてくるので角度を調整していく。
「どう、入りそう?」
「角度的には問題なさそうだな、でも心の準備いるらしいしロネアが入れていいぞ…」
「ありがと、それじゃ…」
 ロネアは先っぽをあてがうと一気に根元まで挿れてきた。

「「っ…!」」
 俺はいきなり入った快感に耐えていたけど、ロネアは頑張って痛かったのかしっかりと俺に抱き着いて来た。
「フロイド、私頑張ったよ…?」
「頑張ってくれてありがとうな、ロネア」
 痛みが引いて落ち着くまで待つと言ってゆっくり頭を撫でる。踊りの時に付けていたかんざしは衣装の乱れと共にどこかに行ってしまったらしい。

「ありがとう、そろそろ動くよ?」
「いいぜ、でもこの時点で結構ヤバいかも…!」
 ロネアは抱き着いた体勢からゆっくりと腰を動かし始める。
「何コレ⁉滅茶苦茶気持ちよくておかしくなりそう…!」
「俺もだ、出したばっかなのに出したくてたまらねぇ…!」
 数回動いただけで互いに変になりそうな程きもちよくなるとは思いもしなかった。
 快感を共有してるみたいなこの感覚が続いて欲しい、けれども俺もロネアも想像以上に早くその時が来てる感じが…

「ごめんフロイド、私そろそろイっちゃいそう…!」
「ロネア、俺も出しちまいそうだ…!」
「いいよ、フロイドから来て…!」
 小さく頷いて体勢を崩さないように気を付けながらロネアが仰向けになるように寝かせる。
 そしてモノを少し引いてから一気に奥まで挿れながらロネアを抱きしめた。
「ロネア、好きだ…!」
「フロイド、私も…!」

 互いを抱きしめながら、快感の最高潮も同時だった。



「折角出会えたのに、寂しくなっちゃうね…」
「本当にな、できればもっと一緒にいたい…」
 ロネアという互いの別れを惜しめるような存在に出会えるなんて、一週間前に凹んだまま到着した俺に言っても多分信じられないと思う。

「でも俺はファイターとして勝ち上がっていく。またロネアに会える時、胸を張って会いたいからな」
「ありがとう、私も色々頑張るからこれ持ってて…」
 ロネアは俺に赤い御守りを渡す。
「戦勝祈念の御守り、一緒には戦えないからせめて御守りだけでも…」
「これで俺の全ステータスにバフがかかったな。ありがとう、大事にするぜ…!」
 御守りを首から提げるのと乗船アナウンスが鳴るのがほぼ同時。

「フロイド、元気でね!試合頑張って!」
「ロネアも元気でな!御守りありがとう!」


 もう一匹で認められたい願望だけを抱えて闇雲に頑張る必要はない。俺を認め、信じ待ってくれる存在に出会えたんだ。そのためにも俺は胸を張っていられるように頑張るんだ。

 デッキで浴びる潮風は一週間前よりも心地よかった。



 突貫工事につきあとがきは後日…


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