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ここは我慢のしどころだ の履歴(No.1)


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この作品には約98%のH2Oと約2%のNH2CONH2が含まれています。また、成人向けですが体を重ねる性行為はございません。



 不思議のダンジョンの困りごとって、あるよねー。あるある! そんなときは、救助隊!


 不思議のダンジョンと呼ばれる謎の空間が各所に現れるようになってから、ダンジョンに迷い込んだり凶暴化したポケモンたちが事件を起こしたりと、目に見えて治安が悪化していた。そんなご時世で活躍するのが、前者のキャッチコピーで宣伝している「救助隊」と呼ばれる精鋭チーム。救助隊とは言いながらポケモンたちの救助に留まらず、悪者の成敗や道案内、配達業、果ては未知のダンジョンへ踏み込んでお宝を探したりと様々な場面で活躍を見せている。活躍の度合いに応じてランク付けがなされ、一人前と見なされるゴールドランクに向けて、多くの救助隊は日々熱心に活動を続けている――



 灼熱の溶岩が一帯を焦がす炎の山。依頼書を片手に汗を拭いつつ登って行くのはヒトカゲ、ゼニガメ、そしてワンリキー。彼らはポケモン広場と呼ばれる繁華街の程近くに基地を構える救助隊「ユリーヌ」の中心的存在である。
「こっちで合ってる?」
 と地図をにらめっこするのは汗っかきのヒトカゲ。
「合ってるんじゃないか? てかお前、地図ビショビショにしそうだからおいらが持つぜ」
 ヒトカゲに代わって地図を持つゼニガメ。すると突如凶暴化したポケモンが襲いかかる。自慢の甲羅で攻撃を防ぎ、水技で対抗する。
「おりゃーっ!」
 ゼニガメの後ろから飛び蹴りを繰り出し、立て続けにパンチでポケモンをノックアウト。
「今日もおれのこぶしがうなる!」
 ニカッと笑みを浮かべたのは、肉弾戦を得意とするワンリキー。相性的に不利なヒトカゲの代わりに、二匹がバトルで活躍してくれていた。
「僕の代わりにありがとう。飲んで」
 とピーピーマックスを渡すヒトカゲ。技を使うことの多いダンジョンでは必須級のアイテムで、何本も飲むことだって珍しくない。
「ありがてー」
 彼らは一気飲みして空き瓶をヒトカゲに返す。そして依頼者の待つ場所へ向けて山を登って行く。
 しばらく進んでいると、ワンリキーが徐々に遅れを見せ始める。見ると、どことなくもじもじしている。
「どうした?」
 ゼニガメが訊くと、ワンリキーは苦笑いを浮かべる。
「シッコ……もれそう……」
「なんだションベンか。ちょうどいいや! おいらもションベンしようかなーって思ってたからあそこでしようぜ」
 とゼニガメは溶岩湖のほとりの岩場を指差す。
「さっさとすませてよー」
 ヒトカゲは岩場へ走る二匹の背中をじれったく見つめた。
「あっ!」
 事態は突如急転した。足場の悪い火成岩の段差に、ゼニガメがつまずく。それに巻き込まれる形でワンリキーもつんのめる。彼らはうつ伏せに転んでしまった。


 ――ジュウッ


 妙な音が鼓膜を揺らす。痛みに呻きながら転んだ二匹が顔を上げると、途端に真っ青になった。
「あぁっ、きんのリボンが……!」
「うそぉっ!?」
 ヒトカゲも驚愕しつつ駆け付ける。依頼者へのお届け物であった黄金のきらめきは、赤々と煮えたぎる溶岩に呑み込まれてしまった。
「あ、あぁっ……」
 うつ伏せのままの二匹から小さなせせらぎの音が立つ。股間から広がって溶岩湖へ流れ出し、即座に沸騰しては甘く焦げた臭いの蒸気を発する。
「依頼……失敗しちゃった……」
 真っ白になった頭が現実を受け入れ始め、彼らのあどけない目から大粒の涙が流れ落ちた。
「うわあぁぁぁぁぁぁん!」
 取り返しの付かない粗相への嘆きが、熱せられた空気を大きく震わせる。その後、彼らは汗と尿に汚れて泣きじゃくりながら失意の帰路に就く羽目になったのだった――


ここは我慢のしどころだ



 遠くに映る賑わい。流石にこの格好では帰れないからと、近くの川で水浴びをして汚れや臭いを落とす。広場を通れば近道だが、誰とも顔を合わせたくなくて遠回りしてでも広場を避けた。扉を開けて基地に戻るも、彼らの心の中の如き空虚感に満ち溢れていた。
「ちくしょう!」
 ワンリキーは涙目で地団駄を踏んだ。
「せっかくシルバーランクに上がったのに、このザマじゃなあ……」
 ゼニガメはがっくり項垂れる。シルバーランクに上がるまでは順調だったのだが、直近の依頼は失敗がかさんで伸び悩み、憧れのゴールドランクには程遠い現状。
 夢と憧れの救助隊になるためにそれぞれ親を説得して故郷を離れた三匹。年齢的に結成要件は満たしていれど、無論子供相手にもそこまで甘い世界ではなかった。ポケモン広場に集まる面々はユリーヌの近況についてさほど触れてこないが、みんな気を遣っている雰囲気は感じ取っていた。
「くよくよしてても解決しないよ。ちゃんと向き合わなきゃ」
 ヒトカゲは泣きたい気持ちを抑えて二匹を諫めた。
「次こそうまくいくはず、じゃなくてさ。なんで失敗して、どうすれば失敗しなくなるか、そこをちゃんと考えてこうよ」
「……カゲの言うとおりだな。思い出したくないけど今日の失敗ふり返ってみるか」
 三匹向かい合って座り、きんのリボン焼失時の状況を思い出す。途端にくしゃりと顔をしかめたゼニガメ。
「おいらがつまずいたせいだよな。ごめん」
「今は謝るより、なぜそうなったか考えてみよう?」
 チームを引っ張ることの多いヒトカゲの提案で、めいめい原因を考え出す。挙がったのは大事なものの取り扱い方と足元の悪さ、そして慌てて足元を確認せずに走ったこと。ワンリキーは特に三つ目を問題視した。
「足場が悪いなんて当たり前になってくるし、ちゃんと確認しなきゃくり返すぞこれ」
「あのときカゲがさっさとしろって言ったから、急いでああなったのかもな」
「……それは僕にも責任があるよ。せかしちゃったこと反省します」
 ヒトカゲは自らの非を認めて二匹に頭を下げた。
「まずはどんなときでも一呼吸おいて、まわりを確認する。ちょっとずつでもそれを意識していこっか」
 話は一旦まとまり、忘れないよう地面に足形文字で要点を書き残した。だがゼニガメはいまだ釈然としてない様子。
「今日はそうだったけどさ、この前は全然ちがうだろ」
「この前? やめてくれ! 今でも夢に出るんだ!」
「リキがおたずねものにビビってションベンもらして、はずかしかったんだかわかんないけど、やみくもに技なんか出すから反撃くらってブッ飛ばされたんだろうが」
「おいガメ! わざわざ言わなくてもいいだろ!」
「はいけんかしない!」
 ヒトカゲが割って入り、一触即発の事態は免れた。溜息混じりにへたり込むゼニガメとワンリキー。そこでふと、あることに気付く。
「なあ、ここんとこおれたち、やけにシッコ近くないか?」
「僕はそこまでじゃないけど、確かにそうだね」
「いいよな、汗でドバドバ出て」
 嫌味を言われても動じず、ヒトカゲは心当たりがないか考え始める。
「言われてみりゃ確かに。てか最近の失敗みんなションベンがらみじゃねーか!」
 用を足す場所を探していたらモンスターハウスに突っ込んだり、依頼者の案内中に催して横道にそれたせいで依頼者が落とし穴に落ちたり――思い当たる節は多かった。そんな中ヒトカゲはバッグを開けて探り、瓶を一個取り出す。
「ピーピーマックス、それだ!」
 二匹の意見も一致した。ランクの上昇に伴うより長く険しい道中においてバトルの機会が格段に増え、飲み干す量もドジョッチ登り。とは言え一本あたりの内容量は大したものではないはずだが……。ヒトカゲはラベルの成分表示を確認してみた。
「あ、カフェイン入ってる……」
「カフェインか。眠くならなくなる代わりにションベン近くなるんだよな、どーりで」
 忌々しい五文字を眺めながら渋い顔をするゼニガメ。彼らには貴重なガツン系ドリンクやタウリン等のいわゆるドーピング剤に含まれているのは知っていたが、ピーピーマックスにも入っていたのは盲点だった。
「でも飲まなきゃバトルなんて無理だぞ?」
「だよね、立ち回りでカバーしようったって限界があるし」
「せめてカゲみたいにもっと汗で出てくれりゃーな」
 なんて言ってみるが、憧れの救助隊FLBのフーディンが以前、汗の分泌量は赤子時代の環境で決まってそこからは増やせないと、汗っかきのヒトカゲに教えていたことを思い出した。
「どうする? これ詰みじゃね?」
「だからっつって飲まないわけにもな……」
 頻尿たちが肩を落とす中、ヒトカゲは黙々と思案にふけっていた。


 次の朝――


 黄金色の日差しが窓を通り抜けて室内を照らす。その眩しさにまぶたを震わせ、目を覚ました。寝ぼけ眼で挨拶を交わし、寝床から起き上がる。一晩分をたっぷり溜め込んだ膀胱が強く主張して、彼らは便所へ行こうと寝床から足を踏み出した。


 シュルルルッ!


 何かが巻き付くような音がしたと思いきや、両足は地面からぴったりと離れなくなる。
「おい! なんだこれ!?」
 白い粘着質な何かが、ゼニガメとワンリキーを捕らえていた。必死に足を引き剥がそうとするがびくともせず、強い尿意で力が入らない。
「おはよう!」
 元気な挨拶を響かせたのはヒトカゲ。その横に、結成直後に助けたのを機に友達になったキャタピーもいる。
「こ、これでいいの?」
「うん。ありがとう、もう帰って大丈夫」
 不安気に尋ねるキャタピーに、ヒトカゲは笑顔で頷いた。背中に怒声を浴びつつ緑の後姿を見送ってから、二匹の眼前に実行済の依頼書を突き付けた。
「今日やる依頼は二匹までしか行けないんだ。せっかくだし、先にもらした方がおるすばんだよ」
「は? ふざけんなよ! 勝手に決めるな!」
「ふざけるなったって、この依頼のお礼が結構いいものなんだ、おしっこなんかで失敗したくないからね」
「くそったれ……!」
 ヒトカゲは怒りに震える二匹の真下に道具を置き、彼らの目が飛び出す。それは冒険時に彼らが着用するものだった。
「これでもらしたら汚れて冒険に行けなくなっちゃうね♪」
「このやろう……!」
「覚えてやがれカゲ……こうなったらしょうがない」
 涼しい顔のヒトカゲに嫌悪を向けていたが、救助を始めとした活動は顔が知られる好機でもある。ゼニガメとワンリキーは何としてでも行くぞとばかり目線に火花を散らす。そうしている間にも更に強く催してゾクリと身震いする。
「くうっ、たえてくれ……!」
「おいらが、行くんだっ……!」
 既に満杯に迫る膀胱のSOSに抗い、二匹は我慢を始めた。この状況だとどちらかは確実に屈辱をさらけ出す上に愛用の道具まで汚れてしまう。自身のプライドとお留守番回避を賭けて、耐え抜こうと必死になって息を荒げていく。
「お、ガチンコ勝負だね。ここはがまんのしどころだ、ってかな?」
「だまれ! っあぁっ……!」
 眺めて楽しむヒトカゲに一喝したが、力んで膀胱の出口に圧がかかり、声を上ずらせてしまうワンリキー。どうにか漏らさずに持ちこたえる。
「ヘタなことできないな、くそぅ……」
 その様相をゼニガメも横で見て口を噛み締める。排泄という生理現象は命ある限り止められるものではなく、こうしている間にも尿はじわじわと彼らの膀胱に送られ続けている。年相応の少ない容量を、一切の加減なしに満たしていく。
「っぐぅ、もれそう……」
「もらすな、もらすなっ」
 歪んだ顔立ちには苦痛と共に脂汗がにじみ出してくる。お互い股間を確認し合って、まだ耐えているのを確認する。だが体の中では既に悲鳴を上げ、水風船のように膨れ出しているのが、うずうずした膨満感からわかる。自ずとお尻の穴をすぼめる力も強くなっていき、一分一秒でも長く耐えるのに彼らは必死だった。彼らは目に涙を溜めて呻き声を揺らしながら、それでも我慢を続けている。
「うぅ、くそぉ……!」
「もっちゃう……!」
 内股気味にして股間を押さえ、前屈みになってでも漏らすまいと身震いする。ヒトカゲはそんな彼らに対し、目を輝かせて興奮気味に見届けている。
「これはどっちかわからなくなってきた……!」
 尿意に耐えているのをよそに楽しんでいるにっくきリーダーに、涙に濡れた四つの険しい眼が向けられた。押さえる握力は見る間に強く、震える背中はどんどん丸くなる。時々刻々と張っていく水風船は、決壊するまいと耐え続けてうずく出口を次第にしびれさせ、感覚すら奪っていく。全身から脂汗が流れる中、いつ醜い大洪水が発生してもおかしくない状況で、ゼニガメとワンリキーはべそをかきながら限界を突破した尿意に必死の抵抗を見せ、ヒトカゲは読めない勝負の行方に心躍らせていた。
「……あぁっ!」
 先に我慢が解かれ、背中を大きく震わせたのはワンリキー。パンパンに張ってうずく膀胱から尿道の中を熱が駆けて行く。それは皮ごとつまんでいるペニスの先に到達した。


 ブシャアアァァァァァァァッ!


 琥珀の怒涛が灰色の手や下半身を濡らしてほとばしり、愛用のきついハラマキを汚して湯気が立ち上る。醜態をさらす姿を見て、泣きながらも耐えた喜びをゼニガメは表出した。一方でワンリキーは耐え切れなかったことに悔し泣き。
「リキはおるすばんだね。ガメもごくろうさま」
 ゼニガメの足かせにしていたキャタピーの糸をひのこで焼き、自由にする。すっかり安心して一歩を踏み出した。
「あ、やべっ!」
 力を緩めたところにすかさず流れ込んだ鉄砲水。解放感に身をわななかせて尻尾の付け根から滝が生まれ、足元に黄色い池を広げていく。勝ったにもかかわらず屈辱の失禁をさらしてしまい、羞恥を伴う憤怒が湧き上がってきた。
「このやろう! よくもこんなことを!」
 ゼニガメは尿をまき散らしつつ尻尾の炎目がけて襲いかかる。
「ご、ごめんよ! 僕が悪かったからぁ!」
 尻尾を抱えてかばい、ヒトカゲは顔面蒼白で逃げ惑うしかなかった。


「いったぁーい!」
 二匹から全力のげんこつを食らい、ヒトカゲは頭を押さえて悶絶する。
「こんなのおれたちに比べたらまだ生ぬるいだろ! がまんしろ!」
 追撃で頭を引っぱたかれてヒトカゲは飛び上がる。手を離すと頭の左右に立派なたんこぶができていた。その滑稽ぶりにゼニガメは腹を抱えて笑った。
「よし、お前はそれで依頼こなしなよ。すっげー目立つぜ」
「こんなことで目立ちたくないや、いたた……」
 依頼を実行してしまった以上、時間までに依頼者の元へ行かなきゃいけない。ヒトカゲは頭をさすりつつ、肩を落としてゼニガメとともに基地を出ることになってしまった。


 ――依頼は無事成功しておいしい報酬こそ得られたが、新聞にヒトカゲのたんこぶを取り上げられ、恥ずかしい思いをした一方で、留守番中のワンリキーはその記事を読んでざまあみろとほくそ笑んでいた。



 次の朝――


 ヒトカゲが目を覚まし、大あくびで起き上がる。頭はまだ痛むが、腫れは引いてきていた。強い眠気の中とぼとぼ歩き出す。目的の場所に差しかかったそのとき、突如目の前をふさがれた。
「何するんだよガメ!?」
 ゼニガメは口元から水を垂らしてニタニタ笑い、いつでもみずでっぽうを繰り出すぞとばかりに圧をかける。すると今度は後ろから羽交い絞めにされる。
「何のまねだリキ!?」
「あれじゃあまだ満足してないからな。おまえにかかされたおれたちのはずかしい気持ち、存分に味わえ!」
「や、やめてっ、おしっこ……!」
 動けないヒトカゲが声を震わせる。そこにゼニガメが無理やりピーピーマックスを飲ませた。昨夜珍しく水を多く飲んだせいで、彼の膀胱はなみなみと溜まっていた。
「安心しろ、お前がもらすまでおいらたちがちゃーんと見届けてやっから」
 便所の入り口に立ちふさがるゼニガメが、目を輝かせる。
「おうおう、ここはがまんのしどころ、だろ?」
 ワンリキーは昨日浴びせられた言葉をオウムがえし。捕らわれたヒトカゲは強まる尿意に悶えて脂汗を噴き出し、身震いを始める。
「や、やだぁ……おしっこ、もれちゃうよぉ……!」
 情けない涙声をこぼしながら、どうにか抜け出そうともがくが、格闘タイプの筋力に敵うわけもなく、状況は悪化するばかり。膀胱はなおさらキュンキュン主張して、もがけなくなった。両腕を押さえ付けられて股間を押さえるのはおろか、持ち上げられているため背中も丸められず、今一番見られたくない縦筋がゼニガメの目前で丸出しになっていた。
「こんなに汗かいてたらシッコたまってかないんじゃないか?」
「たまってる、たまってるってぇ……!」
 涙ながらに訴えているその体の中では、カフェインの作用で大量の発汗にもかかわらず尿は確実に送られ続けている。それは膀胱内の圧力の高まりによってヒトカゲに知らしめられ、更なる絶望へ引き込んでいく。
「お前もいっぺんド派手にもらしちまえばいいんだよ。そのときは気持ちいいぜ?」
「やだっ、はずかしい……!」
 ぶんぶん首を横に振って涙と汗を散らしながら抵抗を続ける。更に膀胱はじわじわと膨れ続け、出口の強いうずきはやがてしびれに変わり、一気に限界が迫り来る。それでも出口を物理的に押さえ込む術は、ワンリキーによって奪われていた。
「だ、だめぇ! もれちゃうぅぅ!」
 力ずくで押し込めようとしていた出口が内圧に負けて押し開かれ、我慢を解かれた快感が熱に乗って流れ下り、脂汗まみれのヒトカゲの身を大いに震わせる。さらけ出されていた股の縦筋がじわりと濡れ、そこから黄金色の秘湯がしとどに湧き出した。
「あ、ああ……もれ……」
 口を開けて身震いし、言葉を発しなくなる。肉芽が割れ目から引っ込んだ状態で放ったせいで、下半身は瞬く間にビチャビチャに汚れた。
「すげー量だな」
「おれの足がヤケドしそうだ……!」
 甘い湯気が上がり、熱いせせらぎを響かせる。炎タイプに似つかわしくない光景を、二匹は前後それぞれの視点から楽しんだ。


「びえええええぇぇぇぇぇぇん!!!」
 脱力してへたり込み、鼻を赤くして号泣するヒトカゲ。それを目にしたワンリキーはやりすぎたかとためらいを見せるも、ゼニガメは毅然と突っぱねた。
「おいらたちがどんな思いで必死にションベンがまんしてるか、これでわかっただろ! 遊びじゃないんだぞ!」
「うええぇぇぇん、ご、ごめんなさ~~~い……」
 そしてゼニガメは何も言わず、涙にむせぶヒトカゲをそっと抱き締めた。
 こんな状態では救助隊としての活動すらできず、体を休めるのをかねて丸一日お休みにした。ゼニガメとワンリキーに慰められるヒトカゲはすっかり背中に影を落とし、言葉少なにしていた。


 そして次の朝――


 窓からの日差しでワンリキーが目を覚ます。目を擦りつつ見回すと、ゼニガメはまだ鼻ちょうちんを膨らませ、ヒトカゲの姿はない。落ち込んでるのではと心配する一方で、一昨日のような不意打ちを警戒して慎重に寝床から出た。鼻ちょうちんが割れてゼニガメも大あくびで起き上がる。周囲を警戒したが何もなく、便所の入り口に足を踏み入れた。
「おはよう!」
 突然の大声にワンリキーは飛び上がる。漏れそうになったがどうにか持ちこたえた。ちょうどヒトカゲが便所から出てきたところだった。
「びっくりさせんな!」
 声を荒げて股間を押さえ、ワンリキーは便所に入った。その様子を見ていたゼニガメは溜息をつく。
「お前、あんなにしょげてたのに寝たらすっかり元通りじゃん」
「ずっとへこたれてる僕じゃないさ」
 胸を張るヒトカゲに、もはや二の句が継げなかった。三匹揃ったところで、ヒトカゲは改めて先日の件を詫びた。
「――昨日もらしてから考えたんだ。おしっこのせいで失敗しないようにするにはどうすればいいかなって」
 聞いている二匹は途端に胸騒ぎを覚える。そんな彼らに、ヒトカゲはいたく真剣な面持ちで一つの提案を持ちかけた――



 とあるダンジョンの最深部。険路を必死に駆けているのは指名手配されたお尋ね者。それを追うは三匹のポケモン。彼らこそ救助隊ユリーヌの面々だった。すると道は突然途切れ、お尋ね者は追いつめられる。
「チクショウめ!」
 お尋ね者は破れかぶれに攻撃を繰り出した。動きをよく見て三匹は上手くかわす。着地した途端、顔に苦悶がにじんだ。
「大丈夫か?」
「おう、ここは我慢のしどころだ」
「サクッと決めちまおうぜ!」
 アイコンタクトを交わし、めいめい動き出す。一方を狙えば他方から攻撃される、息の合った隙のない立ち回りに、お尋ね者は手も足も出ない。そして三匹は、別方向から全力の一撃をたたき込む。
「ぐおぉぉぉぉっ!」
 お尋ね者は倒れ、その場を動けなくなってしまった。三匹はすぐさま取り囲み、じりじり詰める。
「テメェらいったい、なんなんだ……!?」
「俺たちは救助隊ユリーヌ。お前の体にこの名を刻み込んでやるよ」
 ほくそ笑んで答えたのはリザードン。あのヒトカゲが数年を経て成長した姿だった。
「動きが激しくてちょっとヤバかったぜ……!」
 と苦笑いを浮かべたカメックス。
「ともかく悪いことはできないものだな」
 下の腕を組み、上の腕で力こぶを作るカイリキー。更にじりじり迫ったと思いきや、カイリキーは赤い鈴口の覗く黒いペニスを指でつまみ、リザードンは股間の縦筋、カメックスは尻尾の付け根の横筋からそれぞれ赤い先端を覗かせる。
「ま、まさかっ! やめ、やめろぉ!!」
 お尋ね者が喚いたところで体は動けず、どうしようもなかった。


 ドボボボボボボボボボボボボボボ!


「ぎゃーーーーーーーーーっ!!!」
 我慢を続けた大きな体躯から解き放たれる大迫力の奔流は、途端にお尋ね者を存分に濡らして臭いを染み付かせていく。ユリーヌの名のみならず絶大な汚辱を身に刻み込まれ、お尋ね者は意識を失った。
「よし、大成功!」
 拳を突き上げた三匹の表情には、歓喜と共に解放の爽快感に満ち溢れていた。


 ――依頼の失敗がかさんでいたユリーヌはその後徐々に成功を重ね、この数年で憧れのゴールドランクに到達するにとどまらず、その更に上のランクに上り詰めてその名をとどろかせていた。その裏で――


「……くっ、駄目だ! 漏れるっ!」
 リザードンは脂汗を流しながらうずくまってわななき、股間を押さえる両手から黄金の温泉が湯気をもくもく立ち上らせて溢れ出し、地面に広がる。決壊の恍惚に舌を垂らし、目は泳いでいる。
「よし、耐えたっ……!」
「リザ荷物持ちなっ……!」
 カメックスとカイリキーは安堵しつつも股間を押さえ、内股気味に限界を超えた尿意と戦い、一斉に便所へ向かう。そこでまた便所争奪戦が始まった。


 定期的にユリーヌで行われるおしっこ我慢大会こそ、あのときヒトカゲが持ちかけた提案だった。初めこそ二匹は嫌々付き合っていたが、いつの間にか尿意を我慢して膀胱が膨らむうずきと解放の猛烈な快楽の虜となり、三匹して股間を押さえて悶えるひとときを嗜むようになっていた。
 それは同時に膀胱や尿道周辺の括約筋を鍛えて尿意への耐性を劇的に高め、これこそ彼の意図するところ。ピーピーマックスを飲みまくっても多少の尿意で動じなくなり、冒険中の粗相やそれに伴う失敗は激減して後の飛躍へとつながったのである。
 そしてこの我慢大会は、思わぬ形でも効果をもたらした。


「……う、ぁ、ああっ! 出るっ!!!」
 別の日のこと。三匹は基地内で横並びになって大いに硬くそびえ立つ自身のペニスを扱き、限界の怒張と同時に発砲して白い弧を描き、ベチャッと地面に着弾する。リズミカルに若い遺伝子を吐き出し終えてから、彼らは白い弾痕を確認した。
「うす! おれが一番飛んだ!」
 カイリキーは分厚い唇を吊り上げて満面の笑み。あと少し及ばなかった二匹は悔しさをにじませる。
 時を経て進化すると同時に、第二次性徴によって成体への道を進んだ彼らは当然射精するようになるが、我慢の鍛錬で遠くへ飛ばせることに気付いてしまう。
 そしてふとしたきっかけで知った射精大会に参加しては、飛距離部門においてカイリキーが初出場で格闘タイプの頂点に輝き、リザードン、カメックスもそれぞれ炎、水タイプで表彰台に上るダークホースぶりを見せ付けて大いに耳目を驚かす存在となった。


 結成当時から見違えて雄々しくたくましくなった彼らは華の17歳。表裏それぞれの舞台で目覚ましい活躍を遂げているのだが……。


「――うおおっ! おいらもうムリっ!」
 これまた別の日。尻尾を引っ込めてでも耐えようとしたカメックスの膀胱が決壊して、繰り出された黄色いハイドロポンプが一気に地面に広がる。リザードンとカイリキーは勝利の喜びのままにカメックス目がけて我慢を解いた。琥珀の怒涛を浴びた敗者は、悔しさと恍惚に強面を緩ませる。



 ユリーヌの面々がさっぱりモテないのは、いまだに小便臭い遊びに興じているから、なのかもしれない……なんて言ったところで、彼らにはどこ吹く風なんだろうな。


 ――と、あの頃からずっと密かにユリーヌの秘めごとを念視しては愉しんでいたフーディンが語る。

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