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【44】島のバザール・1 の履歴(No.1)


島のバザール・1

たつおか



この作品は、
有志の皆様の作品キャラクター及び新規製作したキャラクターをお借りし、
それを私の提供する世界観・設定の中に反映させ、小説に起こしたものとなります。
ご協力いただきました諸兄にはこの場をお借りして、厚くお礼を申し上げます。






目次




第1話・出店計画



 最果ての島──この世の何処かにある其処は、乱気流と特殊な潮流という空海の防壁に囲われた孤島である。


 ここへ辿り着くためには、人ならばよほどの操舵操縦の技術を必要とし、ポケモンならば並外れた体力を必要とされた。
 しかしながらそんな外部から隔絶された島であっても年に二回──夏と冬のわずかな期間、それら障害が緩和する瞬間が存在する。

 この時ばかりは数多くの行商人や買い物客達が島を来訪し、ただ一つの港を備えた町もまた、人やポケモンを問わぬ種の坩堝と化しては普段に無い活気と喧噪をそこに湛えるのであった。


『テンちゃん。アンタ、今年は出店なんかやってみないかい?』

 ビクティニのティニが勤め先であるカミナリのしっぽ亭の女将・カリンからそう打診されたのは、夏のバザールが始まる2ヶ月も前のことであった。

「ボクが? それってこのお店の出張所ってことですか?」

 一方で突然のことに状況が飲み込まないティニは思いつく限り最も整合性のある答えを返したが、それについてカリンは小さく頭を振った。
 カリンは此処カミナリのしっぽ亭を取り仕切る雌のピカチュウであり、この町の老舗である酒場を切り盛りすることで島では知らない者はいない肝っ玉女将で通っている。
 そんな彼女がこの日ティニへとした提案は、彼に経営の経験をさせてやりたいという老婆心からであった。

 気立てが良く物覚えの良いティニを、予てからカリンは商才があると見込んでいた。
 子供の無いカリンは斯様なティニに対し、行く行くは店の暖簾分けでもして彼に独立などさせてやりたいと妄想に近い願望を抱いてすらいた。
 その足掛かりとして、この島で行われるバザールに出展させてやることは、そんな計画の良い予行練習になると考えたのだ。

「でも女将さぁん……ボク、何したらいいか分かんないですよ」

 しかしながら一方のティニはと言えば、どうにも煮え切らない返事をしては上目遣いにカリンを窺った。
 ティニにしてみればこの店での労働は趣味の延長のようなものであり、それは生きる為の対価を得る為だとか将来を見越しての修行などといった概念とは程遠い。
 故に突然のカリンの申し出はただ徒にティニを困惑させるばかりであった。
 しかしながら、

『テンちゃんはお菓子作りが得意なんだから、それを今回のお店でやってみればいいさね』

 発想こそは思い付きであったものの、そこは商売人として年季のあるカリンである。ただ無計画に提案するのではなく、ティニの特性を活かした商売の展開方法にも思いを巡らせていた。

『一番得意なチョコレートのお菓子の屋台なんてどうだい?』
「チョコ、レート?」
『そう。お菓子だけに拘らず、チョコそのものを売ってもいいしドリンクだけの専門店にしたっていい。とにかくテンちゃんが好きなようにやってみればいいのさ』

 具体的な経営方針を聞かされることで、この時初めてティニの胸中にはバザールへの興味が湧いた。
 そして遂には、

「なんかすごい楽しそう♪ 女将さん、ボクやってみたいです」

 まんまとカリンの思惑に乗せられて、すっかりティニは鼻息を荒くさせていた。
 そんなティニの反応に内心でほくそ笑むカリンではあったがしかし、同時にティニは思わぬ提案もまたしてくる。
 それこそは、

「でもボク一人じゃ心細いから、友達と一緒にお店を出したいです」

 思わぬ第三者との共同経営を打ち明けてくるものだった。
 表面上は頷きつつも、内心ではティニ一人での力量を見極めたいカリンは素直に賛同できない。
 しかもこの時ティニがそのバディに選んだ者の名を聞かされては……

「ボク、ムラクモさんとコラボしてお店出したいです!」
「よりにもよってッ!?」
 
 それまで温厚さを纏っていたカリンの表情も、さすがに引き攣らざるを得なかった。



第2話・追憶の人



「……いいだろう。具体的に何をすればいい?」

 ティニから出店の誘いを受けて頷くムラクモに対し、話を持ち込んだティニは無邪気に喜んでは微笑み、そして傍らで聞いていたリュヌは驚愕に目を剥いてムラクモを見た。

「はい! ムラクモさんの彫ったフィギアを僕のチョコスイーツと一緒に売りたいんです!」
「……仏像が多いが構わないか?」
「良い訳ないでしょ! どんな神仏習合よそれ!?」

 喜びのあまりハイテンションとなるティニと、平常運転のムラクモと、ドン引きのリュヌの温度差は綺麗なグラデーションを描いていたと言って良い。
 当初はただ話を聞いていたリュヌも生来のお節介の虫が刺激されたのか、なし崩し的にこの二人の出店に関わることとなる。

 その三日後、リュヌと共に開店前のカミナリのしっぽ亭を訪れたムラクモはサンプルとなる木彫りの彫像を6体、持参した。
 当事者であるティニを始め、事の発端となったカリンも加えた一同は改めてそれを目にしたが、その造詣の見事さにはため息を漏らさざるを得なかった。

 用意された物はポケモンが5体と人間の少女を掘ったものが1体──ポケモンはヒスイの物を加えたダイケンキ2体を筆頭に、オオスバメとカモネギ、そしてビクティニと、皆それぞれに躍動的なポージングを維持してはまさに実物のポケモンが縮小された感すらある出来栄えであった。

 そのクオリティに当初はトンチキな組み合わせだと危惧していたリュヌの印象も、途端に肯定的な向きへと傾きだす。
 仏像や木彫りなどとカテゴライズしてしまうと違和感を感じさせる組み合わせもしかし、これならば十分に『フィギア』としての体も為しているようにリュヌの目には映った。

──これなら安心できそうね……

 そのことに内心安堵するリュヌをよそに、

『この仏像、出来はいいんだけどなんだか寂しいねえ……』

 おそらくはむらまさモチーフと思しきダイケンキを手にしていたカリンがふと呟くように漏らす。
 なんて事の無い一言ではあるがそれによって再びリュヌの不明脈がざわついた。所謂『嫌な予感』を感じ取った訳ではあるが、そんなリュヌの心配が杞憂で終わることは無かった。

『そうだ、この台座のところに文字なんて彫ったらどうだい? むらまさがモデルっぽいし「根性」とか彫ってみたらカッコいいと思うんだけど』
「それはいい」
「ナイス、女将さん♪」
「ちょっとぉ──ッ!?」

 おおよそ最悪の展開に思わずリュヌの声は高くなる。
 外からは『最果て』と呼ばれているこの島も、一応は南国だ。その土地柄を反映させ、ましてやティニの提供する『スイーツ』とも組み合わせるのならば、出来るだけデザインは洋風で軽やかな方がいい。
 それを主張するリュヌにいまいちピンとこない様子のティニとカリンを傍らに、なにやら手を動かしていたムラクモは、例のダイケンキ像を再び一同の前に置いた。

 即席で小刀により掘り出された台座には──筆文字の力強い執筆による『根性』の2文字がでかでかと浮き彫らされていた。

「すごい! 一気にむらまささんっぽくなりましたよ!」
『そうそう、これよ。テレビの横にでも飾ろうかねぇ』

 ムラクモの仕事の速さを侮っていたリュヌにもはや、彼らの暴走を止めることは叶わなかった。
 かくして残りのフィギアにもそれぞれ、『努力』・『日光』・『最果て山』の文字が掘り込まれ、

「……『日光』はこの島の夜明けのことだ」
「サンライズだなんて素敵ですね♡」

 おそらくは自分(オオスバメ)がモデルの台座に『忍耐』と彫られている様子にはもはやリュヌも笑うしかない。

 かくして恙無く商品開発(?)の進んでいく中、ただ一体残された人間の少女の像にティニの注意は引かれる。
 
「そういえば……ムラクモさんってしょっちゅこの女の子を彫ってますけど、これって誰かモデルがいるんですか?」

 訊ねながら手に取る彫像は、ほっかむりにマフラーといった和装の少女であった。
 ティニの疑問の通り、ムラクモはこの島に現れてからというもの手慰みに像や彫刻を彫る時には決まってこの少女を模っていた。
 前襟の上着を着こんでスパッツ然とした下穿きに厚手の靴下と草鞋の様相から、おそらくは厳冬地方のモチーフを反映させたかと思われる節がある。

 一般的な関係を考えるならばこれが以前のトレーナーということにもなろうが、その詳細がムラクモから語られたことは無い。
 常々そのことに疑問を抱いていたティニは、今この瞬間にようやくそれを訊ねることが出来た訳だが……そんな少女の像をティニの手からそっと取り上げると、ムラクモは答える代わりに自身も両手で包み込んだその少女を寂し気に見つめた。

「……分からないんだ。この島で目を覚ましてから、彼女のことばかり思い浮かぶ」

 依然として少女に目を落としたまま呟くように答えるムラクモ。
 見つめる視線は穏やかではあったが、そこに込められているものは懐古というよりは当惑の色の方が強い。

 彫像の少女の正体は、その生みの親であるムラクモにもまた不明であった。
 故に他のフィギア同様に彼女の台座にも何か彫ろうと考えるも、

「ワタシにとっての君は何なんだろうな……そして君にとってのワタシは何なんだ……」


 一向にその考えは纏まらず、徒に彼女へ向き合うムラクモの心をかき乱すばかりだった。




第3話・ティニの屋台



 夏のバザールは最果ての島において8月中頃に開かれる。
 開催期間中の3日間は延べ40万人を超える人数の人やポケモンがここに集い、それぞれに商売やはたまた買い物といった思い思いの楽しみ方でこのバザールを盛り上げるのだ。

 そして中日の2日目となるこの日──ようやくに全ての準備を終えたティニは、自身の屋台において開園の瞬間を心待ちにしていた。

「う~……ドキドキしてきたァ。ムラクモさんも一緒にいてくれれば良かったのになあ」

 緊張のあまりらしくもない愚痴など漏らしては幾度となくレイアウトの確認をしたカウンター上をティニは見下ろす。
 大きくポップな書体で綴った『カミナリ・チョコシェイク』の販促ボードと、さらにはそのカウンターの半分を占めた雛壇にはムラクモが今日の為に製作してくれた木彫りの彫像達が一列2体3段の構成で展示されている。

 出店において自身のスイーツを振舞うにあたり、ティニは商品を『チョコシェイク』のみに絞るという選択と集中をした。
 初めての出店であることからも売れ筋の傾向など測れない今回、下手に品数など増やしても手間と混乱の元になると判断したからである。
 故に季節柄とも鑑み、調理が一元化されるよう『チョコシェイク』一択に商品を絞った訳ではあるが……

「期待して200個分も準備したのは勇み足だったかなあ……余っちゃったら、今年のおやつは当分チョコシェイクだぞ……」

 今になって冷静さを取り戻してはため息を重くする。
 そんな矢先、各所に設置されたスピーカーから高温のハウリング音が漏れると共に、続いてそこからは聞き慣れたリュヌの声が響きだした。

『──おはようございます。スペースの皆さんは、ご準備よろしいでしょうか?』
 
 既に前日にも同じ内容をアナウンスしているせいかリュヌの口上には淀みがない。
 その後、町の中央広場に運営の拠点と救護室が設営されている事、さらには待ち合わせ場所のアナウンスと共に不審者や不審物を発見した際には見回り中の運営スタッフに声掛けする旨が案内された。

 そうしていよいよ以て開催時間が迫り、予定である10:30分を迎えた瞬間──

『それではこれより、最果ての島・2日目のバザールを開催いたします!』

 リュヌの開幕を告げる宣言と共に、屋台参加の商人達からは一斉に拍手が沸き上がった。

「わ、わッ……始まっちゃう! っていうか始まっちゃったのッ!?」

 そんな夕立のような音のうねりの中でティニもまた慌てふためいては拍手をする。
 同時に会場に軽快なPOP音楽のBGMが流れ始めると、港側となる通称・東門とそして大陸側となる通称・西門の方角からは地響きのような重低音が響きだしてきては、いよいよ一般客の入場をティニに知らせた。

 従来、町は東西南北からの入場が可能ではあったが、ことバザールにおいては混雑を避けることからも12:30までは東西二ヶ所からしか町への入場が出来なくなる。
 ティニはそんな東口に近い一角に店を構えていた訳ではあるが、屋台から首を伸ばして港側からの通路を望めば──そこからは駆け足さながらの早歩きで進んでくる先頭集団が視界に入った。

 その一団は入場してすぐの屋台になど目もくれず、我先にと目当ての店へと急ぐ。
 しばしそうしてただ流れるばかりの人波を圧倒される思いで眺めていたティニではあったが、

『あのぉ……スイマセン。このチョコシェイク、ひとつください……』

 ふいにその中の一人が立ち止まったかと思うと、おもむろに代金となる通貨を差し出しては商品を所望した。
 それを受け、一瞬ティニは固まっては目の前の来客第一号を凝視してしまう。
 それはオスのカイリキーと思しき人物であったが、すぐにティニも我に返ると──

「は、はいぃ! ありがとうございます! カミナリのしっぽ亭特性のチョコシェイク、200円となります!」

 緊張しつつも目の前で氷とバニラアイスをシェーカーに掛け、さらにチョコフレーバーも混ぜたそれを専用のカップに注いでストローを差すと、ティニは慌てふためいた様子でそれを手渡した。
 一方のカイリキーも別段感じ入った様子もなくそれを受け取ると、歩き出してすぐにストローを咥えて屋台の前を後にする。

 バザールであるのだから当然ではあるが、それでもティニにとっては思わぬ来客であったカイリキーの背をいつまでも眺めて見送った。
 そして手にした商品の対価である銀貨二枚へと視線を転ずると、生まれて初めて成立させた商売の実感に背を震わせる。

 今日までカミナリのしっぽ亭でウェイターを務めてきたティニにとって、接客や会計を処理などは日常的に熟してきた業務であった。
 とはいえそれらは所詮、雇い主である店の代行行為でしかなく自身の商売と呼べるものではなかった。
 しかしながら今、僅か200円とは言え成立された取引は間違いなく『ティニの商売』なのである。
 その実感は想像していたものを遥かに超える……否、想像だにしない衝撃と感動をティニの小さな胸に到来させていた。

「ボクがやったんだぁ……ボクの力で今、お金を稼いだんだ」

 しばしその余韻から抜け出せぬティニではあったが、そんな幸福な時間もすぐに中断されることとなる。
 直後にティニは──……

『すいませーん、チョコシェイクふたつー』
『こっち一個くださーい』
『このバザール限定記念フィギアっていくらですか?』

 ほぼ同時のタイミングで複数の客達がティニの屋台の前に押し掛けた。
 それを受け、

「あ……は、はい! 販売してます! お客様、スイマセンが二列にお並びください! 右側のお客様から対応させていただきます!」

 我に返るやティニは再び押し掛ける客達の対応を始めた。
 その後は目の回る忙しさではあったが、常日頃書き入れ時にはカミナリのしっぽ亭において忙しなく立ち回るティニにとっては、むしろこのぐらい回転率の方が本来の調子を取り戻せる気がした。
 そして、

「チョコシェイク2つ、お待たせいたしましたー! 400円になりますッ、ありがとうございます! ──お待たせいたしましたチョコシェイクもう一つお待ちください! 記念フィギアは1体500円となります! お求めのお客様は代金をご準備の上、希望商品の番号をお確かめくださーいッ!」


 その後、数時間にわたる灼熱の時を──……ティニは息つく間もなく立ち振る舞うこととなるのだった。




第4話・彫像の少女



 時間は午後2時30分──バザールが開始されきっかり4時間後、ティニは準備したシェイク200個とフィギア300体の販売を終え、ようやく腰を下ろした。

 しかしその後もそれら商品を求める客は後を絶たず、身近にあった段ボールに即席で『完売』と描きこんでカウンターに飾ると、ようやくにティニは安寧の瞬間を迎えることが出来たのだった。

「ふえ~……目が回る忙しさだったよお。商売ってこんなに忙しないものなの?」

 思わず独り言ちては、残っている材料をかき集めてどうにか自分一人分のチョコシェイクを作る。
 そうしてそれを飲んで一息つきながら、残り時間で自分もバザールを見て回ろうかと考えていると……いつの間にかカウンター越しに何者かの気配を感じ取ってはティニも顔を上げる。
 先ほど立てかけた完売POPのせいでその接近に気付けなかったのだ。

「はわわ、いらっしゃいませぇ! なにかご入用ですかッ?」

 慌ててストローから口を離して立ち上がると、ティニはカウンター越しにその人物へ声を掛ける。
 目の前にいたのは人間の少女であった。
 サンプルとして飾られたカウンター上のフィギアに注視しているらしく、ティニの声掛けにも反応する様子がない。
 とはいえこの喧噪とあっては自分の声も届かなかったかと、再度声掛けなどしようとした時──改めて目の前の人物を確認し、ティニは続く言葉を飲んだ。

 おおよそ初対面となるはずの少女ではあったがしかし、ティニは彼女のことを知っている……しかしながらそれは間接的な知見だ。
 誰あろう彼女こそは、ムラクモが手慰みに彫り続けていた彫像の少女その人であった。

 見間違いなどではない。それゆえにまるで空想の人物が目の前に現れたが如き感覚に心捕らわれるティニへと、

「──あの……このダイケンキって、誰ですか?」

 依然としてフィギアのサンプルを凝視したまま少女は訊ねてきた。
 俯いていたことも手伝ってか声の響きは低く不明瞭であったが、それでもスッキリと通る優し気な声音であった。
 その響きに再び我へ返ると、ティニも小さく頭を振っては意識をハッキリとさせる。

 もし仮に彼女がムラクモの彫り続けた女性本人だとするのならば、ティニにはそれを確認する義務があるような気がした。
 けっして興味本位の行動からではなく、それは友人(ムラクモ)の為に今自分が為すべきことだと直感したのである。

「そ、それは……ボクの友達をモデルにして彫ったそうですよ。左のダイケンキがこの島の大工さんの『むらまさ』さんって人で、それからその隣のヒスイダイケンキが『ムラクモ』さんって方です」
「ムラクモ………」

 ティニの口から紡がれるその名を聞いた瞬間、少女は寝起きの酩酊から覚めたよう目を見開いては顔を上げた。
 初めて視線が絡むと、その素朴ながらも整った目鼻立ちの少女をティニは素直に美しいと感嘆する。

「そのダイケンキ、何処で会えますか?」

 次いで継げられる少女の声に再び我に返るティニ。今日はずっとこんな感じだ。
 
「時間があるんでしたらここで待っててもらえればそのうち来ると思いますよ。ムラクモさん、こっちを回ってくるって言ってたから。……──あ、噂をすればホラ」

 カウンターに身を乗り出して話すティニは、西側からの通路に見覚えのあるシルエットを目の端で捉えてはそちらを顧みる。
 それに釣られるようにして視線を向けた少女もまた通路の先を見遣り──そして胸の前に両手を組んでは息を飲んだ。

 二人が見つめるその先からは4つ脚に地を這ったムラクモが、しなやかにこちらへと歩を進めてくる様子が伺えた。
 まだティニ達の視線に気付いていないのか、左右に展開された道中の屋台に目を転じているムラクモの横顔は、あの少女と引けを取らぬほどに繊細で物憂げだ。
 そんな横顔がふいに正面へと振られ、ついメートル先の屋台から身を乗り出すティニと、そしてその前に立ちつくしてはこちらの様子を窺っている少女とを確認した瞬間──ムラクモの表情もまた、その涼しげな両眼を見開く。

 刹那、見つめ合う二人からは周囲を包み込む雑踏の喧噪も、そして時さえもが静止した──
 ただ二人だけが在る世界……二人の為だけの世界……そんな時の凍りついたがごとき世界の中心において、


「ムラマサ……ッ」
「……ヒカ、リ」


 永らく離れ離れとなっていた二つの魂は今ここに、ようやくの邂逅を果たしのであった。




第5話・輪廻



 午後2時をとうに回った東口の雑踏をムラクモは歩いていた。
 今日この通りを辿るのはこれで三度目となる。

 最初はバザールが開始されてから一時間ほど経った時に、西門から入場してここに辿り着いた。
 目当ての先は言うまでもなくティニが商いをする屋台だ。
 しかしながらその時には屋台の前に多く人だかりが出来ていて、その中央で目まぐるしく接客をするティニを遠目で確認しては場を後にした。

 その後も二時間後にもう一度訪れるも、やはり屋台への人だかりに変わりはなく、その時も来訪は見送った。 
 斯様にして盛況な様子に手伝いのひとつもしてやれば良かったかとも思ったが、やはりムラクモは身を引いた。
 この度の出店はティニの仕切りによるものである。
 さればこそ、それに伴う成功も労の全てもまたティニが負うべきだと判断した。
 然るべき評価を受けるべきはそれを実行しそして成し遂げたティニであり、間違っても門外漢である自分が彼の名誉の上前をはねることがあってはならないと身を引いたのは、ムラクモなりの分別であった。

 そうして今、三度目の来訪においてようやくティニの屋台の前からは客達が消えていた。
 おそらくは売る物が無くなったのだろう。
 自分の彫った彫像はティニの助けになれただろうか? 売れ残っているようなら回収してやろう等と取り留めもなく考えているムラクモはしかし──無人と思われた店の前にただ一人、人間の少女が立ち尽くしているのを発見する。

 まだ十代であろう目鼻立ちは多分にあどけなさを残しつつしかし、どこか物憂げなその横顔を確認した瞬間──期せずしてムラクモは呼吸を止めた。
 同時に脳裏にはありとあらゆる感情と思いとが沸き起こる。  

「そんな……そんな、ことが………ッ」

 ムラクモは、その少女のことを知っている……そして同時に、何一つとして知らない。
 さながら御伽噺の登場人物が突如として現実世界に現れたかのような感覚はむしろ、ムラクモへ恐怖にも近い感情を想起させたほどだ。

──このまま、ワタシはあの娘と相対(あいたい)するというか……? その時ワタシはどうなるというのだ……!

 思いとは裏腹に、脚は淀みなく進んでは二人の距離を詰めていく。
 やがていよいよ以てその距離が縮まると、ムラクモの接近に気付いたティニが屋台から顔を覗かせてはこちらへと手を振った。 
 それに導かれるよう少女もまた体の向きをこちらへと転じ、ついには互い1メートルにつかない距離にまで到達した時──……遂に二人は出会ってしまった。

 互いの顔を確認した瞬間、双方の口をついでに出たものは、それぞれの名前であった。
 少女はムラクモの名をつむぎ、そしてムラクモもまた『ヒカリ』とその名を呼んだ。

 まるでつい先程まで顔を合わせていたかのような自然さで、忘れていたはずの彼女の名が口をついた。
 むしろ今日までこれを思い出せなかったことが不思議なほどに今は、ヒカリの名と存在が心には染渡っている。

 そして今、自分が感じているこの感覚はヒカリにしてもそうであろうとムラクモは確信する。
 何故ならば、見つめ合うヒカリの目から大粒の涙が溢れ出ては止まることなくその頬を濡らしていたからだ。──今のムラクモと同じように。

 なおさらに言葉もなくただ見つめ合っていると、ヒカリとムラクモはそれぞれに手を引かれる感触気付いては我に返る。
そうして視線を転ずる足元に居た者は……

「ねえ、とりあえずご飯食べましょ? ボク、お腹すいちゃってぇ……」

 どこが申し訳なさげにもしかし、輝くような笑顔で二人を見上げているティニの姿だった。
 二人の中心において、ヒカリの右手とそしてムラクモの左前足とを握りしめては互いを繋げてくれるティニの体温に、二人はなぜか救われた気がした。

 そうしてティニへ注いでいた視線を再びムラクモへと戻し、小さく息をひとつ胸に溜めてそれをついたヒカリは、

「ムラクモ……一緒に、ごはん食べよ」

気丈にもしかし、初めて喜びの感情を乗せた笑顔でムラクモを誘った。
それに対しムラクモもまた、

「……──、グゥ」
 
 あの日と同じ返事をひとつした。




第6話・二度目の約束 



 かくしてティニに手を引かれるまま、ムラクモとヒカリは最果ての島のバザールを巡る──。
 

 東門周辺は港側ということもあってか、飲食ブースの集合したエリアとなっている。
 イベント柄、多種多様な料理や食べ物が揃ったそこは、塩気のある香りや熱気を含んだ油の香りなどに包まれては来訪者の食欲を刺激する一方で、中には到底食べ物とは捉え難い匂いもまた混ざっていたりと何とも心踊ること事この上ない。

 そしてこういった飲食にまつわるイベントにおいては、個人で回るよりも複数人で訪れた方が断然楽しめることをティニは知っていた。
 シェアして少量を味見しながら回れることから、胃のキャパシティを気にせずに済むからだ。

「ね、ね! 最初はアレ! あれ食べたいですッ♡」

 力強くティニに手を引かれながら、ヒカリはラーメンの屋台へと誘導される。
 ガオガエンが経営するそこは激辛とニンニクを売りにした魚貝スープのこってり系で、店前から漂う匂いからしてもう食べる者を選ぶ異彩を放っていた。

「えぇー……ティニちゃん、これ食べるのぉ?」

 でかでかと張り出された販促POPに映し出されている真っ赤なスープ上に盛り上がる大量のもやしとチャーシューの山脈に、思わずヒカリも尻込んでは怖気づいてしまう。

「大丈夫ですよ。屋台の看板なんて大袈裟に描くもんだし、値段だって500円なんだから大した量も無いはずです」
「そ、そっか……そうだよね。3人で食べちゃえば1人二口くらいかな?」

 今回に至っては実際に屋台の経営もしていたティニの言葉に安堵するもしかし──かくして屋台から提供されたそれは、写真以上にチャーシューが盛られているという、まさに油と糖質の暴力に満ち満ちた一杯であった。

 その姿を前にティニとヒカリは食べる前から大口を開けて圧倒される。誇大広告どころか、店主は多分に男気溢れる人物だったようである。
 しかしながら、そんな店主の誠意が反映されたラーメンは激辛ながらもダシの旨味が濃厚であり、そこへ更に背油の油分も加わることで辛みがまろやかに調和されては、存外に美味なものとして一同は享受した。

 とはいえ元が少食なヒカリとティニはチャーシューを一枚と麺を数本啜った程度で後は……

「う~……ムラクモさん、残りお願いします」
「いっぱい食べてね、ムラクモ」
「……ワタシをなんだと思ってる?」

 依然としてほぼ一人前が残されたラーメンはムラクモが全て食べることとなった。
 しかしともあれこのラーメンの塩気は二人にとって食欲の呼び水となったようで、

「じゃあ今度はあれ食べてみようよ、ティニちゃん」
「コイキングバーガー? うわー、お祭りのテンションじゃないと絶対に食べないヤツー♡」

 まだ席でラーメンをすすっているムラクモをよそに二人は次の屋台へと駆け出して行ってしまう。
 かくしてようやくにムラクモがラーメンを食べ終える頃には……

「オイ、嘘だろ………」

 甘辛を問わない種類豊富な屋台グルメのフルコースが卓上には並ぶ運びとなった。

 それらを前に既に満腹のムラクモは表情を歪めるが、彼の感じた予感は喜ばしくない的中をすることとなる。
 先のラーメン同様に、みなヒカリとティニによって一口ずつ齧られると、残りは全てムラクモへと回される結果となった。

 そうして〆のスイーツとして『オニゴーリのアイスマカロン・5種のフルーツフレーバー欲張り全部乗せ』を食べている最中で、ティニはうつらうつらを前後に櫓をこぎ出す。
 その様にヒカリが気付いて声を掛けるも応えることなく、そのまま首を前へ項垂れたかと思うと──ティニは深い眠りへと落ちてしまうのだった。
 日中の労働による疲労が、食後の血糖値上昇と合わさるに強力な睡魔を呼び起こしたからであった。

 テーブルに突っ伏してずり落ちてしまいそうになるティニをヒカリは傍らから引き寄せては胸の中に抱き上げる。

「寝てるだけみたい……私たちも行こうかムラクモ。──それ食べちゃってね」
「………うぷッ……ワタシの心配もしてくれ」

 ティニの食べかけ(スプーン一匙つけただけ)の山盛りアイスを押し付けられるムラクモは、此処に至るまでの暴食でエンブオーさながらのシルエットと化している。

 そうして恙無く食事も終えると眠るティニを胸に抱いたヒカリは、港エリアの片隅に積まれた資材の上に腰を下ろす。
 そこから見上げながら微笑んでくるヒカリに対して、ムラクモもまたその傍らに腰を下ろすと、二人はしばし無言のまま夜のバザールを見つめた。

 とうに陽も落ちて辺りは夜闇に包まれてもいたが、そこから眺めるバサールの会場には煌々と屋台からの灯りが点されては、依然として喧騒が鳴り止む気配もない。
 ただ黙してはそれを見つめ続ける二人ではあったがふいに……

「この世界は、ヒカリが帰ってきたかった場所なのか?」

 依然としてバザールの夜景に目を投じたままムラクモは聞いた。
 それを受け、ヒカリも一度瞼を閉じては間を置いた後、苦笑い気に横目でムラクモを一瞥する。

「──目を醒ました時、私は雪山にいたの」

 返されたものはすなわちムラクモの問いに答える内容ではなかったが、それでもムラクモはヒカリの語るままに任せた。

 島の北部にある山岳地帯において覚醒したヒカリは、その麓において小さな集落を営んでいたポケモン達に助け出されては、以降そこで暮らし続けていると言った。
 それも既に3年前の話であり、この町へと降りてきたのだって今日が初めてだとヒカリは語る。

「私ね、恐いんだ。この島から出て、もしまた別の世界だったらって思うと……もうその時には、本当に立ち直れないと思う」

 腕の中で小さく寝息を漏らすティニの横顔へヒカリはあやすように額を押し付けたが……それはむしろ見えない何かへ縋るようにも見えた。
 そんな彼女に向かい、

「……ワタシはこの世界に来た時、初めてあの日のヒカリの気持ちが判った気がした」

 そう掛けられるムラクモの声にヒカリは顔を上げる。

「その日まで当たり前のように享受していた全てが消えて絶望し……それでもこんな自分を受け入れてくれた新しい世界を今は愛しく思っている」

 ムラクモの語りかけはヒカリへ対するのと同時に、その腕に抱かれたティニへ対しても向けられていた。
 さればこそ、今のムラクモはあの日のヒカリと同じ立場と言えた。
 ならば今度は自分が役割を果たすのだと今ムラクモは決心する。

「今度こそ……誰かに強いられるのではなく、ヒカリの生きたいように生きてほしい。もし望む答えが得られずに絶望しても、その時はワタシが支える」

 ムラクモの脳裏にまだか弱く幼なかった頃のフタチマルと今のヒカリが重なる。

「あの日ヒカリがワタシを導いてくれたように、今度はワタシがヒカリを導く! そして今度こそ守り仰せてみせる! だから………今度こそ──」

 いつしか身を乗り出しては見つめてくるムラクモの言葉を引き継ぐよう、

「今度こそ──最後は一緒に迎えよう」

 ヒカリはもまた強く言葉をつぐむと同時、胸の中のティニなどお構いなしにムラクモの胸に飛び込んだ。
 その突然の行動に瞬間戸惑いを覚えつつムラクモも、ようやくに腕の中へと戻ってきたヒカリを取り零さんと強く抱き締める。

 かくしてヒカリとムラクモは今日までに失ってきた全てを埋め尽くすよう、在りと在らゆる自分自身を使っては互いの空洞を埋め合う。
 星のごとくに煌めいて明滅するバザールからの照明に包まれる二人のシルエットは今──幾星霜の果て、ようやくひとつに重なりあえたのだった。
 



エピローグ



「──それじゃ、帰るね」
 
 場所はムラクモが寝起きをする小屋の前である。
 昨晩ティニをカミナリのしっぽ亭へと送り届けた後、ヒカリはこの小屋においてムラクモと一晩を過ごした。

 その翌朝──二人はヒカリの準備した朝食を共にした後、今へと至っている。
 あの雪山の集落へと帰るヒカリをムラクモは引き留めることはしなかった。
 もはやヒカリは正真正銘の自由人であり、その選択を尊重することもまたムラクモの考える『ヒカリを支えること』であった。

 朝日の中で見つめ合う今の二人には何の言葉も必要ない。
 心は確かに通い合っていたし、また何も考えていなかったとしてもそれは心安らぐ瞬間には違いなかった。

「また夏に……葦が生い茂る頃には、それを掻き分けてアナタに会いに来るわ……ムラクモ」

 依然として見つめ合ったまま告げてくるヒカリに対し小さく頷きを返すと、

「ならば雪が降り積もる頃には、ワタシはそれを掻き分けて君に会いに行こう……ヒカリ」

 互いの言葉をなぞり合った言い回しに、期せずして二人は微笑みを綻ばせた。
 やがて親密に寄り添い合い、長くキスを交わすと──ヒカリは頂を白く染め上げた山脈に向かい歩み出していった。
 力強い足の運びで大地を踏みしめていくその後ろ姿には一片の迷いもなく、そして再びムラクモへと振り返ることもなかった。

 そんなヒカリの出立をムラクモもまた無言うちに見送る。
 やがてはその小さな背が地平の極みに沈み、麓の森の中へと消えていってもなお──

 いつまでもムラクモは立ち尽くし、遠く愛しき人を見送った。






■       ■       ■



 最果ての島バザール・最終日──
 この日ティニは昼前に自身の屋台へ赴くと、周りの半ば殺気立った喧噪をよそにのんびりと店仕舞いを始めた。

 当初は二日間の参加予定ではあったが、前日にめぼしい商品がすべて売り切れてしまったことからもう、ティニは此処に留まる理由が無かったのだ。
 もっともそれ以前に今朝は、前日の疲れも手伝ってかずいぶんと寝坊をし、目が覚めた頃にはもうバザールが始まっていたという体たらくである。

「ふぁ~……でもいいや。のんびりできるし、これが終わったら西門の方も回ってみようっと」

 そうして片付けの最中、サンプルとしてディスプレイしていたムラクモとヒカリの彫像を手にしたティニは、ふと昨日の彼女に思いを馳せた。
 昨晩はどこかのタイミング寝落ちしてしまったようで、彼女やムラクモと別れを告げた記憶がティニにはまったく無い。
 カリンの話では、ヒカリと思しき少女とムラクモが自分を送り届けてくれたと聞いて、今日も午後から会えないかと思案に暮れる。
 そんな折り、
 
「……ティニ、いるか?」

 まさにそう思っていたタイミングで声を掛けられ、ティニはバネ仕掛けのように勢いよく頭を振り上げる。
 そうして屋台の中から見上げるそこには──カウンター越しにティニを見下ろすムラクモが後光を背負って立っていた。

「ムラクモさん! っていうかヒカリさんは!?」

 一躍カウンター上に飛び上がると、ティニはムラクモの出迎えもそこそこに周囲を見渡す。
 
「いない。もう帰った。ティニにもよろしくと言っていた」

 そんなティニに対し、ムラクモも彼女が現在の住処である北の山へと戻ったことを告げては小さく鼻を鳴らした。

「えぇ~……せめてさよなら言いたかったぁ。寂しいなあ……」

 いつも明るいこの少年がいつになくしょげている姿を珍しく思うのと同時、その反応は自分の内面にも感応していることに気付いてムラクモも苦笑いをひとつ。

「また会いに来ると言っていた……雪が降り出す前にはもう一度くらいは降りてくるだろう。その時にはまた知らせる」
「約束ですよッ! っていうか、寂しくなったらこっちから会いに行きましょうよ。今度は他のみんなも誘って♪」

 思わぬティニの提案に、いつものメンツで騒々しく小さな集落を尋ねる自分とヒカリの反応を想像しては、らしくもなくムラマサは笑った。

「──そうだ。これをティニ渡すように託かってきた」

 言いながら渡される平たい笹皮の堤を両手で受けてティニは首をかしげる。
 温もりの残るそれを手元で広げてみると、そこには揚げ物然とした小さな食べ物が二枚重ねられていた。

「イモモチだ……今朝、彼女が朝食に作ってくれた。ティニにも食べて欲しいって頼まれたんだ」
「ボクに……? ヒカリさんが……?」

 依然として視線を手元に注いだままどこか感慨深げに呟くティニは……やがて一枚を手に取るとそれを一口頬張った。

「モチモチしてて美味しいです!」
「ハハ、それは良かった。──じゃ、ワタシは行くよ」

 珍しく声を上げて笑ったかと思うと次の瞬間にはもう、ムラクモは雑踏の中へと歩きだしていた。

 昨日と変わらぬはずのバザールの雑踏はしかし、何故かムラマサの心を躍らせてやまなかった。
 そして、らしくもなく友人の顔も拝みたくなったその瞬間


「……──むらまさ?」


 友人とよく似た気配に気付いては──ムラクモは雑踏ですれ違ったダイケンキへと振り返るのだった。









【 島のバザール・1  完 】

【45】島のバザール・2  へと続く──








【 参加キャラクター 】

(50音順)


ティニ


【 名前 】  

・正式名   : ビクティニ

・名称    : ティニ(同種がいない場合種族名)

・一人称   : ボク

・二人称   : さん付け、親しい間柄には呼び捨てする事もあり


【 種族選択 】  : ポケモン・ビクティニ

【 性別 】    : オス

【 年齢 】    : 人間の精神年齢換算で14歳程度 ショタ

【 口調 】    :03 ですます口調 素でいる時は09 子供っぽい口調

【 身長と体格 】
0.45m 図鑑に記載されている高さよりちょっぴり大きい。


【 身体的特徴と性格 】 :  
毎日一回は誰かにモフられる程度には身体がモフモフしている。
食べることが大好きで、いつも何かしらを頬張っている事が多い。
基本的に礼儀正しく、また元気で明るい性格でニコニコとしていることが多い。しかし雰囲気に反して自己主張自体は少なく、また謙遜もするため場合によっては少し大人びていると言われることもある。
が、心を開いた相手に対しては精神年齢相応の口調になり、行動も甘え気味になりがち。
また、信頼している相手からの押しにめっぽう弱く、例え恥ずかしい事であろうとドキドキしつつ受け入れてしまう程度。
好奇心旺盛で、島の色々な所を見て回りたいと考えている。


【 職業 】  :接客を中心とした店番


【 過去と来訪の理由 】 : 
自身と自身の中にあるエネルギーを巡って、大勢を巻き込んだ争いの中心になってしまったことがあり、それが大きなトラウマとなっている。
そのため自分自身を「勝利の象徴」や「力をもたらす存在」としてではなく『ただのビクティニ』として必要としてくれる存在を求めて島にやってきた。
上記の理由のため、自分から力を発揮しようとはしないし、余程の緊急事態でもなければ誰かから求められても断る。また、そういう頼み事をしてきた相手には距離を取る。
そして、自身がバトルに出ることを忌避する傾向にある(見るのは好き)。


【 島での役割と過ごし方 】 : 
一匹でもあるいは誰とでもお買い物を楽しんだり、食べ歩きを楽しむ。


【 参戦作品 】
オリジナル
・作者
葉月綿飴





ムラクモ


【 名前 】

・正式名   : ムラクモ

・名称    : ムラクモ

・一人称   : ワタシ

・二人称   : 名前を呼び捨て


【 種族選択 】  : ポケモン・ヒスイダイケンキ 

【 性別 】  : オス

【 年齢 】    : 若い

【 口調 】    :01: 一般的な男性口調

【 身長と体格 】 : ヒスイダイケンキとしては平均的。精悍に鍛えられている。

【 身体的特徴 】 :
特徴的な見た目はなし。
ただ、ゴーストタイプなどの霊感が強いポケモンからは、血に塗れているような錯覚を時折覚えさせる。


【 職業 】    : 木の彫刻職人


【 過去と来訪の理由 】   : 
ヒスイ女主人公の最初のパートナー。
主人公が追放された後に、主人公の懇願に従ってやりのはしらでデンボクに勝利した後、デンボクを殺害し、そのまま主人公を連れ去る。
その後、追ってきたムベ、プレートを集めていたウォロも返り討ちにする。
しかしウォロ、ギラティナとの死闘の末、主人公が瀕死になり、自身以外のポケモンも全て死亡する。
主人公とは肉体関係にもあり、どうにか回復しつつあった主人公と久々に性行為をした翌日、主人公も冷たくなっていた。
その後ユクシーにヒスイに関する全ての記憶を消して貰った上で、自分の事を誰も知らない場所へと飛ばして貰った。


【 島での役割と過ごし方 】 :
以前と変わらず木彫りをして細々と生計を立てている。
多少社交的になったが、積極的ではない。
バザールには出店の要望を他人から受けて、物だけならばと幾つか木彫りを作って、店自体は他人に任せている。
ムラクモ自身はバザールの端の方で飯を軽くつまんでいる模様だが、自作の売れ行きも気にならない訳ではない様子。
酒は人混みでは飲まないが、バザールが終わって疎らになった後なら軽く飲んでいるかもしれない。


【 参戦作品 】
『 Overwrite 』
・作者
ムラムリ











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